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SOULNOTE USB-DAC D-1 プリメインアンプ A-1 A-2 試聴 音質 比較 評価 レビュー 評判SOULNOTE (ソウルノート) D-1 、 A-1 、A-2 音質 試聴 レビュー※上の画像をクリックすると、それぞれのモデルの「詳細テストページ」にリンクします。 SOULNOTE 10周年記念モデルから、USB-DAC「D-1」、プリメインアンプ「A-1」、「A-2」を選んで機器比べました。 SOULNOTE の特徴 ・魂を揺さぶる音の再現 SOULNOTEは、録音されたにあった「魂(Soul)を揺さぶるような音(Note)」を時空を超えて蘇らせる音を目標としています。 ・完全バランス・ディスクリート無帰還増幅回路搭載 SOULNOTE製品には、「完全バランス・無帰還増幅」にこだわった回路設計が用いられ、音決めはエンジニアの厳密なヒヤリングによって行われています。 ・厳選されたパーツを使用 最高の音質を実現するため、内外のパーツを検証し、最適な動作点を探り、設計が行われています。 ・大型電源とシンプルな回路の組み合わせ 余裕のある電源と、吟味されたパーツ、極厚の銅箔を使う専用基板が使われています。 SOULNOTE 「D-1」内部 (詳細テストページへのリンク) SOULNOTE 「A-1」内部 (詳細テストページへのリンク) SOULNOTE 「A-2」内部 (詳細テストページへのリンク) ・高音質電源ケーブル採用 高品質な導体を採用する、極太電源ケーブルが付属します。 ・スパイク脚採用 筐体を支える脚には「金属製のスパイク脚(3点支持)」が採用されています。 SOULNOTE(ソウルノート) D-1 メーカー希望小売 290,000円(税別) (メーカーホームページ) SOULNOTE(ソウルノート) A-1 メーカー希望小売 170,000円(税別)(メーカーホームページ) SOULNOTE(ソウルノート) D-1 メーカー希望小売 500,000円(税別) (メーカーホームページ)
試聴テスト 「A-2」をAIRBOW N05 Ultimateとの組み合わせて聞いた、前回の音質チェックは「RCA入力」を使いました。それは、RCAとXLRと聞き比べた結果、広域の透明感や伸びやかさでRCAが優ったからです。今回は、音源が「SOULNOTE D-1」に変わったことで、彼らが推奨する「XLR接続」で聞き比べました。
比較試聴は、AIRBOW オーディオPC「MNP-i5 Roon」を「D-1」にUSB接続して、搭載するプレーヤーアプリ「HQ Player」を起動し、CDから取り込んだWAVファイルは、「88.2kHz/24bit」にアップコンバートして出力しました。スピーカーには、Vienna Acoustics Beethoven Concert Grand(T3G)を使いました。YouTubeの音声は、アンプの出力から音を録っています。 AIRBOW MNP-i5 Roon 販売価格 460,000円(税別)(現金で購入)・(カードで購入) Vienna Acoustics Beethoven Concert Grand(T3G) (現金で購入)・(カードで購入)・(中古で探す) 今回の比較試聴は、YouTube 逸品館チャンネルでもご覧いただけます。 音質テストに使ったソフト
水の音は滑らかで質感も高いが、少し水の表面が「アクリルっぽく感じる」ような癖がある。 鳥の声もリアルだけれど、自然界の中ではなく、植物園の中で鳴いているように聞こえる。 高域の先端がほんの僅かに丸くなっているためだが、十分に良い音だとは思う。
「せせらぎ」でも感じたように、バイオリンの高次倍音、最高域が伸びきらないため、ほんの少しだがバイオリンの音に「ミュート」がかかっているように聞こえる。奏者の体の動き、ホールの気配感もやや薄い。
ギターの音は甘く心地よい。ボーカルも適度なツヤと湿りけがあり、聞きやすい。 十分に良い音だと思うが、本物(実演)を知る人には、ちょっと物足りないかもしれない。
この曲は本当に切ない、願っても叶わない恋の歌。
この曲も、沈み込みが浅い。「コンサートホール」で聞きながら、交響曲の歴史の深さに感慨を覚えるという鳴り方ではなく、どちらかといえばもっとポップな感じに鳴る。 例えばシンシナティー・ポップス管弦楽団が演奏しているように聞こえるが、指揮者はバーツラフ・ノイマンで、演奏はチェコフィル管弦楽団だから、そんな「軽いイメージ」だとちょっと戸惑う。 総合評価 SOULNOTEの音決めの1つの目安は「より楽しく」だと聞いた事があります。確かに「明るく楽しい音」ですが、本来はもう少し陰りのある曲が明るく鳴ってしまうことがあります。アコースティックな楽器の音も、最高域がやや伸びたりません。 PAを使う音楽、最近のPOPS、それも軽めの音楽には、よくマッチするアンプ(音)だと思いました。
A-2で聞くこの曲は、A-1と比べて高域が伸び、水の音の「曇り」が消え、鳥の声も高域が伸びて鋭い声になっている。 A-1では高すぎた温度感も下がり、高原のせせらぎの雰囲気が出てきた。
バイオリンの音に「弦と弓が引っかかる感じ」が出てきた。弓を動かす「粘り」も感じられ、奏者の体の動きが伝わるようになった。音の深みも改善され、バッハらしい静けさと奥行きが演奏に醸し出されている。
ギターの高音が澄みわたり、密度が高まった。 ボーカルもA-1では、聞き取れなかった、感じられなかった、細やかな部分まで再現されるようになっている。 細かく言うと、楽器の高次倍音、ボーカルの子音がきちっと伸びてきた。
イントロ部分での「ピアノの音」が全く違ってくる。ピアノの低音もよく出ているが、もう少し「量感」と「密度感」があれば、さらに良い。 峰純子さんの声の厚み、深みもA-1とはまるで違ってきた。
静寂の中から、すっと管楽器の音が「立ち上ってくる」この演奏らしい雰囲気が出てきた。 総合評価 高音がしっかり伸びて、音の密度が高まり、静寂感も醸し出されます。 価格がずいぶん違うので、フェアではありませんが、A-2を聞くとA-1には戻れません。 試聴後感想 オーディオで言う「原音」とは、「現場で聞いた生の音」と言う意味です。マイクが「聞いた(とらえた)」音と言い換えることもできます。 けれど、それをオーディオ機器で再現したときの「原音の感じ方」は、人によって大きく違っています。 例えば、落書きの「へのへのもへじ」の絵が「人間の顔」に見えるのは、それは私たちが「人間の顔」を記憶していて、特徴的な「パーツ(目と口と鼻と眉毛)」だけで、全体を想像(復元)しているからです。 音を「聞く」ときも同じで、人間は「記憶している音を頼りに足りない部分を補いながら音を聞いている」ため、過去に「楽器の生の音をどれくらい聞き込んでいるかどうか?」、そしてそれを「どれくらい精密に記憶しているかどうか?」により、聞こえている(実際は脳が作り出している)「原音」のイメージが違ってしまうのです。 私は数年間、指揮者に師事して、生の楽器の音を徹底的に聞き込みました。それも「ただ単に聞く」のではなく、指揮者が演奏を判別するのと同じ「正確さと細やかさ」でそれを聞くトレーニングを行いました。そして、トレーニングの前後で、音に対する感覚が大きく変わることを経験しました。 トレーニング後に一番大きく変わったのは「生音と違う部分(違和感)」にとても敏感になったことです。それまで「生っぽく」聞こえていた音に「違和感」を覚えるようになったのです。それは、反復練習によって「正しい音の記憶」が蓄積されたからです。 そういう「厳しい耳」で今回聞いた2つのモデルを評価するとA-2はOKですが、「A-1」の音はアコースティック楽器から出る「原音」とはすこし違って聞こえました。 ちょうど、この試聴レポートを書いた数日後に「MusicBirdの番組」で「A-1、A-2、D-1」を取り上げたため、ゲストとしてお招きしたSOULNOTE設計技術者の「加藤氏」と詳しくお話を伺うことができました。要約すると、コストをかけられないA-1では、「上級モデルになれなかった下位モデル」という位置づけを避けるため、あえて「楽しさ(元気良さ)」を前面に出した音作りと行ったと言うことでした。収録ではA-1で「ライブ録音」を聞きましたが、その楽しさはA-2とはまた違いました。A-1はジャンルやソフトを選びますが、ぴったりはまると思わぬ音を出してくれるようです。 A-1は「原音」を「アコースティックな音源」と考えずに、電気楽器やPA(アンプやスピーカーを使って音を出す)を使うジャンルの音楽にマッチするようです。 私が書いている(アップロードしている)音質レポートには、「非音楽系のソース」をほぼ必ず使います。それは、アンプの試聴や音決めに「音楽だけを使う」ことは危険だからです。音楽を聞くというのは、極めて主観的な行為なため、それを判断の指標として使うと、判断結果が個人の好みに大きく依存することになります。つまり、元の音から離れていても(アンプの音が個性的でも)その結果が「好みに合う」なら、それが「良い」と判断してしまいます。そのため私は、試聴ソースに「せせらぎの音」や「F1のピットの音」のように、「人為的な意味のない音」を必ず一つは入れるようにしています。そういう「人為的でない音」は「脳(意識)」ではなく、「体(無意識)」で聞けるので、個人差が無視できるほど小さくなり、万人が間違いのすくない判断を下せると思うからです。 加藤氏は、ジムカーナが好きで関東地区のチャンピオンも奪取したことがあるそうです。私はカートが好きです。TADの設計主任沼崎氏はスキーが趣味です。部屋の中で機会とにらめっこしているだけでは、楽しい音は作れません。 より良い音を求めて、電気技術だけではなく、素材や筐体の振動コントロールなど細部にわたって細やかな検討を加え「ベストサウンドを目指す」それは、ジムカーナでタイムを削るのと同じです。 SOULNOTEは、私にとって「ストライクの音」ではありませんでしたが、一人の技術者が愛情と熱意を持って作り上げた「中身のある製品」であることは、間違いありません。好きになれるかどうか?マッチするかどうかは、あなた次第ですが、買ったことを後悔するような、無味な工業製品では決してありません。 2018年4月 逸品館代表 清原裕介 |
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