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QUAD 11L Signature LS-3/5a Rogers stirling 音質 評価 試聴 比較

 

 VS 

2004年に日本に上陸したQuad初のダイナミック型スピーカー「11L」はリーズナブルな価格と高音質が市場で高く評価され、このクラスの製品として爆発的なヒットモデルとなりました。

QUAD11L(Piano Black) メーカー希望小売価格 ¥100,000(ペア・税別)生産完了

2007年には、ツィーターやネットワークなどが改良され「11L2」へと進化を遂げています。

QUAD11L2 メーカー希望小売価格 ¥118,000(ペア・税別)生産完了

このモデルは11Lに比べ明瞭感とレンジ感が拡大し確実に音質が改善されていましたが、価格が若干値上がりしたために「11L」ほどの数は出ませんでした。それでもモデル終了間際には円高還元で実売価格がかなり「11L」に近づいたため、再び当初の人気を取り戻したのです。そして2011年「11L」は、日本限定モデルの「11L Signature」へと進化を遂げました。

QUAD 11L Classic Signature
メーカー希望小売価格 ¥90,000(マット仕上げ・ペア・税別)、¥120,000(光沢仕上げ・ペア・税別)

このモデルから特徴的だったキャビネットの形状が「袴/スピーカー下部の突起」がなくなり、通常のブックシェルフ型に変更されています。また設計者が変わっており、これらによる音質の変化がどのようなものか?興味のあるところです。

この期待の新製品、QUAD 11L Signatureの試聴機が届けられたとき、Rogersからオリジナルを可能な限り忠実に再現した新発売レプリカモデルのLS-3/5aが届きました。LS-3/5aのレプリカというとStirling Broadcastから発売されているLS-3/5aを逸品館では取り扱っています。このStirling LS-3/5aは、オリジナルを作った設計者が現代にLS-3/5aを蘇らせたモデルです。

QUAD 11LSignatureとLS-3/5aは、価格帯は違いますがサイズは割と似ています。そこでQUAD 11L Signatureに、オリジナルの設計者が蘇らせたLS-3/5aと、製造データーなどが残っているかもしれないオリジナルを作ったメーカーRogers(会社は全く別物です)が復刻したRogers LS-3/5aを加え3機種のスピーカーの聞き比べを行うことにしました。

 VS 

Rogers LS-3/5a 65Th Anniversary Edition 市場販売価格 ¥158,000(ペア・税込)

Stirling Broadcast LS-3/5a V2 メーカー希望小売価格 ¥280,000(ペア・税別)

Stirling Broadcast LS-3/6の試聴テストはこちらからご覧いただけます

QUAD 11L Signature (日本限定発売)

クオード社は、ディレクター・オブ・テクニカルデザイナーとしてPeterComeau(ピーターコモー)を2009年に迎え入れました。ピーターは30年に渡りオーディオ業界に献身し、数多くの賞を獲得したことにより世界でも祟敬される音響デザイナーの一人であります。ピーターにとってNEW 11 L シリーズへの開発命題は11 L シリーズの世に認められた完成度を損なうことなく、さらにリスナーへの音の表現力に磨きをかけることでした。

まず第一に本来の音楽性を損なわないこと。次にトレンドを踏まえ全ての音楽のジャンルを選ばないこと。そして最後にリスナーためのサウンドを造り出すことです。NEW QUAD 11L Signatureは、ピーターが経験したノウハウを余すことなく投入した、まさに集大成というべきスピーカーシステムです。

・ 新開発ツィーターの採用

11L Signatureは新たにアルミニウム合金ボイスコイルを採用した新開発のツィーターを掲載しました。ボイスコイルを含めた振動系の軽量化により複雑な音楽信号に対し最高のディテール再現能力を発揮します。さらに放熱特性を大幅に改善したネオジュームマグネットを採用した強力な磁気回路が安定した高いドライブ能力を実現しました。

・ 低歪を実現したウーファー振動板

ウーファー振動板には特に軽量かつ高い剛性力が要求されます。11L Signatureのウーファー振動板には、クロス・ケプラー素材を採用し振動板の変形を抑え、歪みを極限まで低減させました。歪みを低減させたことにより、本
来備えている駆動力を余すとこなく発揮させ優れたパフォーマンスを実現します。

・ サランネット(グリル)の取り付けをマグネット方式に変更し、日本仕様専用色を採用

サランネットの取り付けをマグネットに変更し、キャビネット正面の穴をなくしスタイリッシュに仕上げました。日本で販売されるSignatureモデルは、ピアノ・ブラック、ピアノ・マホガニ、マット・マホガニ−、マット・マホガニーレッド、の4色ですべて日本だけのオリジナルカラーです。また、スピーカー端子には責任者ピーター・コモーのサインが入ります。

QUAD 11L2 (Piano Black)

¥118,000(ペア・税別)

生産完了しました

QUAD 11L Signature (Piano Sapele Mahogany)

¥120,000(ペア・税別)
マット仕上げは¥90,000(ペア・税別)

ツィーター 25mm(ソフトドーム/テキスタイル)
ウーファー 125mm(ケブラー)
最大入力(RMS) 150W
インピーダンス 6(オーム)
感度(出力音圧レベル) 86dB/1W/1m
周波数帯域(−6dB) 45Hz-28KHz
クロスオーバー周波数 2200Hz
外形寸法(突起部含む) H190×W330×D263mm
質量 6.3Kg(1本)
設計責任者 スティーブ・ヒューレット
ツィーター 25mm(ソフトドーム/テキスタイル)
ウーファー 125mm(ケブラー)
最大入力(RMS) 300W
インピーダンス 6(オーム)
感度(出力音圧レベル) 87dB/1W/1m
周波数帯域(−3dB) 48Hz-22KHz
クロスオーバー周波数 2200Hz
外形寸法(突起部含む) H190×W310×D263mm
質量 6.3kg(1本)
設計責任者 ピーター・コモー

QUAD製品のご注文はこちら

変更された部分 (左11L2、右11L Signature)

ツィーターが新型へ変更されます。キャビネット下部の「袴」が廃止されています。
日本仕様のSignatureモデルはグリルの取り付けがマグネットに変更され、キャビネットの穴がありません。

スピーカー端子は変更なしですが取り付けプレートが変わり、Signatureモデルには端子上部QUADの文字の下に設計者“ピーター・コモー”のサインが入ります。バスレフポートも大型サイズ1個から小型サイズ2個へと変更されています。

 

Stirling Broadcast LS-3/5a V2
(ウォールナット)

¥280,000(ペア・税別)

Rogers LS-3/5a

65Th Anniversary Edition

OPEN価格 (実売¥158,000/ペア・税込)

ツィーター 19mm
ウーファー 110mm(ダイキャストフレーム)
85mm(ポリプロピレンコーン)
インピーダンス 11(オーム)
感度(出力音圧レベル) 83dB/2.83V/1m
周波数帯域 78Hz-20KHz ±3dB
クロスオーバー周波数 3000Hz
外形寸法(突起部含む) H300×W188×D168mm
質量 4.9Kg(1本)
備考 バイワイヤリング対応
ツィーター 19mm
ウーファー 138mm
※V2との違いは採寸によるもの
インピーダンス 11(オーム)
感度(出力音圧レベル) 83dB/2.83V/1m
周波数帯域 70Hz-20KHz ±3dB
クロスオーバー周波数 3000Hz
外形寸法(突起部含む) H188×W304×D185mm
質量 4.9kg(1本)
備考 バイワイヤリング対応

LS-3/5aのご注文はこちら

LS-3/5a V2(以下V2)とLS-3/5a 65Th Anniversary Edition(以下65Th)の正面写真。V2の板厚が65thより少し薄いことが分かります。

ウーファーとツィーターはパット見似ていますが、よく見ると全然違うものが使われていることがわかります。ウーファーの口径はカタログでは随分違いうのですが、実際に計るとほとんど同じで大きさの差はありません。

細かい部分ではサランネット固定用のマジックやツィーター周りのフェルトの配置が違います。

見た目がオリジナルに近いのは65Thです。

 オリジナルのLS-3/5a

スピーカー端子も形状は似ていますが、大きさなどが違っています。また正面の仕上げはほとんど同じでしたが、裏側の仕上げが全く違っていることが分かります。底板の部分もV2は四隅に小さなゴム足が使われており、65Thには何もついていません。キャビネットのサイズは、ほぼ同一です。

11L SignatureとLS-3/5a 65Thのサイズを比べてみました。幅と高さはほとんど同じですが、奥行きがかなり違っています。寸法の違いはわずかですが、実際には11L Signatureが一回り以上大きく見えます。

音質テスト

CD/SACDプレーヤー

AIRBOW SA15S2/Master

アンプ

AIRBOW PM15S2/Master

スピーカー・スタンド

Acoustic Design AD-35a

試聴ソフト

fourplay

forplay

CD(輸入盤)

7599-26656-2

ピアニストのボブ・ジェームス、ギタリストのリー・リトナー、ベーシスト兼ヴォーカルのネーザン・イースト、ドラマーのハービー・メイソンと名手揃いのメンバーが繰り広げる、ポップに展開するスムーズ・ジャズ/フュージョンのアルバム。

電子楽器の音とアコースティック楽器の音が混ざっているので、それぞれがどのように再現されるかを聞き分けることができる。また、ライブ録音のように余計な音が少なく楽器そのものの音が収録されているので、スピーカー自体の“鳴き(鳴り)”をチェックすることができる

Restless Night

Karla Bonoff

CD(輸入盤)

CK 35799

1979年に録音された非常に古いアルバムだが、完成度が高く現在もラジオなどで耳にする事が多い。Karla Bonoff: A. Guitar, Vocal、James Taylor: A. Guitar, Back Vocal、J. D. Souther: Back Vocal、Kenny Edwards: Bass、Garth Hudson: Accordionで構成されるバンドのハーモニーが非常に美しい。ラスト9曲目のThe Water is wideはあまりにも有名で、誰でもきっと一度は耳にしたことがあるはず。

この9曲目の出だしのギターの弾き方の変化(最初はタッチを強く、ボーカルが入るとタッチを柔らかく変えている)また、アコーディオンとギターのデュオの部分の絶妙なハーモニーなどの分離と混ざり具合を聞くことで、システムの音楽表現能力を瞬時に聞き分けることができる。録音も非常に優秀で音楽としても音源としても楽しめる

Sheherazade

Kirov Orchestra / Valery Gergiev

CD/SACDハイブリッド

470 618-2

PHILIPSらしい自然な雰囲気を持っている録音が好ましい。演奏も素晴らしい出来映えだが、交響曲の広大なダイナミックレンジと周波数レンジ、音の細やかさはSACDならではの素晴らしさで収録されているところが何より魅力的。フォーマットはCD/SACD/SACD-Multiの3レイヤーで収録されているので、あらゆるプレーヤーで楽しめる。

今回テストしたスピーカーはBi-Wireに対応していますので、付属品のジャンパーのままでスピーカーケーブルをどの端子に繋ぐと音が良いかをテストしました。結果すべてのスピーカーで、プラスを上、マイナスを下の端子に繋ぐとバランスが良く自然な鳴り方になったため、テストはこの接続で行いました。

Bi-Wire対応スピーカーにスピーカーケーブルを使うとき繋ぎ方で音が変わるのは、聴感上の「音のタイミング」が変わるからです。このタイミングの違いを示すのに「位相」という表現が使われますが、この言葉はオーディオとしては正しのですが、医学的には人間は位相を聞き分けられないので「タイミング」と言う言葉が正しいと思いますが、どの端子にスピーカーケーブルを繋ぐかで「低音〜高音」への音のタイミングが変わります。

この「タイミング」とはアコースティック楽器が「物理法則」に沿って音を出すとき、その一連の音の変化が「一定の法則=物理的に正しい動き」をきちんと反映しているか?(タイミングが合っている)あるいは反映していないか?(タイミングがずれている)を指しています。たとえるならTV映像と音声のリップシンクのような感じですが、このタイミングがずれていると音の広がりや倍音構造に違和感を生じ、音が不自然な感じに聞こえます。

タイミングの整合を判断するためには、タイミングがずれていない録音(マイク構成がシンプルなライブ録音などが好ましい)と倍音をきちんと聞き分けられなければなりません。

ケーブルの接続方法の違いで音が変わるのも、ジャンパー線などで音が変わるのも、電気的な理由に加え「物理的な理由」が影響すると考えられます。測定できないほどのわずかな、電気系の振動(ケーブルやネットワークのパーツ)が反映される、スピーカーの音の変化を私たちは敏感に聞き分けられるのは驚きです。

音質評価

それぞれのスピーカーの音質評価は、サランネット付き、サランネットなし、サランネットなし+AET SCR-Jumper、サランネットなし+NVS-Jumperの4通り行いました。

 (fourplay/1曲目)

(サランネット付き) 

ギターの音色が甘く、透明な響き(濁りのない響き)がとても心地よく感じられます。エンクロージャーの響きは多いのですが、その響きが音を濁らせず楽器のエコー成分(響き)として聞こえるので電子楽器がアコースティック楽器のように響きよく鳴ります。

低音の量感はサイズよりも多く、サブウーファーの助けを借りなくてもベースの音階やリズム感、力強さは十分に再現されます。特にベースの音が中高域と混じらず、きちんと分離して聞こえることにはサイズと価格を考えると驚きです。中高音も従来の11シリーズより明らかに癖が少なくスムースで、ウーファとの繋がりが抜群です。

Signatureでは、スピーカーとしての基本的な性能である聴感上の音域の広さや、再現される音の細やかさ、立体感などが確実に改善され、またそれらのバランスがグッと良くなって、完成度が非常に高い製品に仕上がっています。
音は明るく軽快で音楽を聴いていることが楽しくなります。若干高域の芯が緩く感じられることがありますが、楽器の音色変化の鮮やかさ、演奏者のタッチ変化の繊細さ、ハーモニーの美しさなど、音楽を一切の不満なく楽しく聞かせてくれるその能力の高さに感銘すら覚えるほどでした。

(サランネットなし) 

ネットを外すと音が一層細かくなりますが、バッフルの反射の影響なのでしょうか?音の広がりに違和感を覚えます。また、それぞれの楽器が奏でるハーモニーもバラバラになりがちで、サランネット付きで感じたあの素晴らしい魅力が半減しました。音の響きや粘り、厚みも後退して、悪い音ではないのですが少し安いスピーカーが背伸びしていい音を出そうとしているように感じられました。

11L Signatureは中途半端にHiFiな音を狙わず、このスピーカーの持ち味であるバランス感覚を引き出すような鳴らし方がお薦めです。また、ほとんどの場合はサランネットのあるなしでこれほどまでに印象が変わることはありませんが、11L Signatureはサランネットを付けた方が良さそうに思いました。

(サランネットなし) + (SCR-Jumper)

音の密度がグンと上がってHiFi感が増し、低域も深く太くなりますがなぜか高域が弾みません。音質は向上しているのでがそれと引き合えに、11L Signatureが本来持っている開放的で明るい感じが後退して、演奏がやや暗く沈んだ感じに変化しました。

しばらく聞き続けているとオーディオ的音質向上による満足感は上がってきますが、11L Signatureを最初聞いたときの「いい音で楽しく音楽を聴いている!」という感動は薄くなります。バランスが崩れ、安いスピーカーが背伸びして良い音を出そうしているように痛々しく感じてしまうことがありました。

SCR-Jumperを使うことで音質はかなり向上して楽器の音がリアルになり、演奏も緻密で整ってくるのですがこういう音のスピーカーならPMCなど他にもあり、当然ですが11L Signatureはそれらに叶いません。11L Signatureは神経質にならず音楽をざっくりと、お洒落に鳴らすことでその持ち味が最大限に引き出せるように思えます。ある程度の鷹揚さ加減で楽しく聞かれることをお薦めします。

(サランネットなし) + (NVS Copper2-Jumper)

ジャンパーをNVSに変えるとネットを付けていたときのように音が上手くまとまります。11L Signatureが本来持っている音色の美しさや、優れた立体感、スムースな繋がりの良さは全く損なわれないままに、透明感と音の細やかさがグッと向上します。緻密になった分やや演奏は静か(静的な印象)になりますが、細部の細やかな表現の向上がそれを補ってあまりある改善がもたらせれます。

楽器の音のリアルさ、楽器の操作(タッチ)のデリケートさは、同じスピーカーを聞いているとは思えないほど向上し、低音も低く深くなり、やや芯が甘く薄く感じた高域もきちんと補正されて不満が消えました。うるさいことを言うならば、演奏が少し暗く静かな方向に振られた感じがありますが、fourplayという曲自体あまり快活な演奏ではありませんから、この程度は許容できる範囲でしょう。NVSはSCRほど音質改善効果は大きくありませんがSCRよりも雰囲気が良く、音楽ファン向けの当たり外れの少ないチューニングとしてお薦めできそうな音質だと思いました。

 (Restless Night 9曲目)

(サランネット付き) 

fourplayで感じたようにイントロのギターの透明な音色がとても美しく聞こえますが、そうとはいえギターの質感の高さにはやはりスピーカーの価格を感じさせる限界があります。

ボーカルは濁が少なく魅力的ですが、発音の細部が聞こえにくくやや大味な感じがあります。これも価格を考えると粗探しをしていると行った方が良いでしょう、

アコーディオンとギターの音色の違い、ハーモニー部分の掛け合いが正確に描き分けられます。これは価格を考えると驚異的です。さらに驚かされたのは、ベース音が濁らずにきちんと分離して聴き取れることです。このクラスのスピーカーはコストの関係でどうしてもキャビネットが共振するため低い音が濁りやすいのですが、11L Signatureはその低い音を濁らずきちんと分離して鳴らします。これは凄いことで、少なくともこのクラスこのサイズのスピーカーではあまり耳にしない質の高い低音を聞かせてくれました。しかし楽器はかなり魅力的に鳴るのですが、ボーカルの質感は楽器ほど高くなく、若干不満が残りました。

(サランネットなし)

サランネットを外すとギターの音は少し荒れますが、不満を感じたボーカルがグッと魅力的になって細かくて聴き取れなかった部分が聞こえるようになります。カーラボノフの声は透明感を増し、女性らしい色気や切なさ、哀しい恋の物語としての説得力がぐっと増します。

アコーディオンとギターの掛け合いも分離感と明瞭さを増し、魅力が大きくなりました。発音も聞き取りやすくなり、男女コーラス部でも分離も明確になりました。この音なら文句はなく聞いていて楽しいスピーカーと言えます。11L Signatureは、価格や存在感を忘れて音楽に引き込まれる愉悦を味わえる希有な製品です。

(サランネットなし) + (SCR-Jumper)

これは凄い!ギターの質感が全く変わってしまいました。カーラボノフのボーカルもため息まで聞こえてきそうなほどリアルで繊細、そして何とも言えない色気が出ます。元々静かで暗いイメージのこの曲には、SCRの静かで緻密な感じが抜群にマッチします。その場で演奏が行われているのかと錯覚するほど、すべての音のクォリティーは大きく上がり、分離や解像度・・・、あらゆる部分が素晴らしく向上します。

低音も厚みとエネルギー感を増し、fourplayで不満を感じたのが嘘のようにSCRを使うことで素晴らしい音が出ます。ギタリストが弦をリリースした時のアタックの強さの再現は比べものになりませんし、ボーカルの発音の細やかさも同様に比べものになりません。鳴らす楽曲でこれほどイメージが変わるとは想像していませんでした。今までの経験でもこれほどのドラスティックな変化を経験したことはありません。それほど劇的に音が変わりました。

(サランネットなし) + (NVS Copper2-Jumper)

この曲に関してはNVSはSCRに音質が遠く及びません。しかし、ボーカルの優しさや深みはなかなかのもので、音楽的なまとまりや表現力は十分に高く評価できます。ギターはSCRと比べると輪郭がまろやかですがエコー成分がグッと多くなり、1〜3弦よりも4〜6弦のウェイトが大きくなります。アコーディオンも切れ味よりも響きの成分がより強く感じられますが、ベースは少し肥大して響きが止まりにくくなりました。

総じて中低音の量感が高まり、穏やかで滑らかな音に変化します。刺激感は非常に小さく、システムの音を滑らかにしたいとき、きつさや硬さを軽減したいとき、立体感を補いたいときにこのジャンパーを使うと音がまとまりそうです。

 (シェーラザード 2曲目)

(サランネット付き) 

スケールは原寸よりも小さいが、ホールでコンサートを聴いている感じが上手く出ます。音はやや濁り、倍音に曇りを感じますが、こういうウォーミーな音は生演奏でもありがちですから特に嫌な感じはしませんし、別段不満も感じられません。ただし高域の伸びや解像度感が不足しがちで、その部分ではSACDを聞いているという満足感はあまり大きくなく、どちらかと言えばレンジ感よりも音の細かさや繋がりの良さ、密度の高さにSACDの良さが感じられました。

バイオリンの音は滑らかで刺激が少なく甘く魅力的です。オーボエの音は切れ込みが少し甘いですが、響きはの再現は秀逸です。金管楽器の高音がやや低級に感じられますが、バランスや雰囲気は問題ありません。

本来、このクラスのスピーカーで交響曲を不満な聞こうというのは無理な注文なのですが、11L Signatureはその難題を上手く解決しています。ある程度の枠の中にすべての音を凝縮しバランス良くまとめることで、演奏を自然な感じで再現しスピーカーやコンポの存在を忘れて聞き手を音楽に引き込ませます。これはなかなか絶妙のチューニングです。Quadの名に恥じないスピーカーの音作り手腕の高さを納得させられました。

(サランネットなし)

サランネットを外すとバイオリンの音の曇りが取れて、倍音がすっきりとして透明感が増します。2台のバイオリンの分離感も向上し、ハープやオーボエの音も澄み切って美しさを感じます。後で鳴るコントラバスやチェロも「台数」がかなり増え、交響楽団の人数が倍くらい増えたと感じるほど音の数が多くなりました。

音の広がりも自然で違和感がなく、透明感と自然な立体感が見事にマッチしたPHILIPS録音らしい良さが感じられます。ホールの静寂感もアップし、音楽の表現かより細やかく深くなります。金管楽器は厚みを増し、ネットを付けていたときに感じた軽くざわついた感じが完全に消えました。エネルギー感や躍動感もアップします。

サランネット付きの音も悪くありませんが、サランネットを外した時の澄み切った音の世界を味わってしまうと、サランネット付きには戻れません。Restless Nightの試聴でSCR-Jumperを高く評価しましたが、その時に感じたドラスティックな変化が、このソフトではネットのあるなしで得られました。ソフトによって表情や使いこなしが変わる11L Signatureはなかなか奥が深く、面白いスピーカーかも知れません。

(サランネットなし) + (SCR-Jumper)

バイオリンの音が引き締まって、密度がグッと高くなります。各楽器の音の分離も大きく向上し、演奏の質感が一気に高まります。静寂感も向上し、バックグランド(暗騒音)の無駄な音がほとんど消えてしまいました。静かな空間の中に美しい物語が展開する様が素晴らしいのですが、躍動感パワー感はやや減少した感じです。

荒々しいタッチで演奏を描くのが付属のジャンパープレートの音なら、細やかなタッチで繊細かつ写実的に演奏を描くのが、SCR-Jumperの音です。どちらがよいかは好みもあるでしょうが、細やかな部分まできちんと再現されるSCRで聞くシェーラザードはより本格的で高度な演奏に聞こえました。

(サランネットなし) + (NVS Copper2-Jumper)

交換することで解像度と透明感が非常に高まったSCRの音は、舞台袖で演奏を聞いている緊張感を伴いました。対して、NVSの音は適度な開放感がありコンサートホールの一番良い席で演奏を聴いているように感じられます。音の生々しさはSCRが優れていましたが、雰囲気の生々しさはNVSが優れているように感じます。

それぞれの楽器の音の質感やハーモニーの音の関係、倍音構造に全く違和がありません。音が立ち上がって減衰するまでの音の変化や、エネルギー(音の大きさの変化)の流れがとても自然で、生演奏を聞いている時と全く同じ感覚で楽器の音が味わえます。自然な感じで生演奏を聴いているような雰囲気がとても心地よく、さすがに音楽家が手作りした製品だけのことはあると感じさせる音です。

音だけではなく音楽的バランスも非常に高く、安心して演奏に浸れます。NVSを使うと11L Signatureはかなり高級なスピーカーにも全く劣らない「雰囲気」と「表現力」でシンフォニーを聴かせてくれます。この懐の深さやチューニングの絶妙さも他メーカーのジャンパーとは一線を画します。音楽の真の深さを聴き取れる音楽ファンにこの音を捧げたいとすら思うほどです。音を止めるのがためらわれるほど、素晴らしい音でシェーラザードが見事に鳴りきりました。

 (fourplay/1曲目)

(サランネット付き)

QUAD 11L Signatureの音も良かったのですが、65Thの音はさらに質が高く引き締まっています。ギター、シンバル、ピアノの倍音の質感が高まり、楽器がワンランク以上上質になったように感じられます。中域のエネルギー感も凝縮され、音楽が楽しく弾みます。ベースは音階もリズムも明瞭に再現されますが、量感は少な目です。ウーファーのサイズと密閉型という形式を考えるとこれは目を瞑るべきでしょう。しかし、それを除けばそれぞれの楽器の音の美しさや緻密さは大きく向上していますし、表現も確実にアップしています。

スピーカーを65Thに変えるとスピーカーが良くなったというイメージではなく、楽器の音質の良さが改善し生楽器の音色の美しさが磨かれる感じに聞こえ方が変化しました。11L Signatureの音も滑らかで絹濾し豆腐の味わいでしたが、65Thの音はそれよりも遙かにきめが細かく、上質なイメージです。しかし、滑らかな中にもきちんと芯があってピアノのアタックやベースのリズムもしっかりと再現されました。

(サランネットなし)

11L Signatureで感じたのと同じく楽器の音の質感は上がるのですが、ちょっと荒れてがさつな感じがします。しかし音の広がりは非常に自然で、スピーカーのすぐ側で音を聞いても圧迫感やユニットから音が出ている違和感がほとんどありません。高域の自然な感じはツィーターに被されている金属のカバー(小さな穴が空いた金属製の保護グリル)やツィーターの周囲に配置されたフェルトが効いているのだと思われます。

ネットを外すと不思議と低音の量感が増し、この量感なら特にサブウーファーを欲しいとは思わないでしょう。高域はアタックの鮮烈さや切れ味が向上しますが、引き替えに音の粘りやハーモニーの厚みが少し後退します。しかし、65thでのネットのあるなしはQUAD 11L Signatureのように明確ではなく、好みで使い分ければよいと感じる程度でした。

(サランネットなし) + (SCR-Jumper)

ネットを外した事による高音のざらつきやがさつな感じが完全に消えて、音質の向上が快感として感じられるようになります。11L SignatureにSCRを組み合わせると、少し暗く元気がなくなったように感じられました。65Thでもその傾向が感じられますが、音質や密度感の向上、細部の再現性の向上、低音の力感の向上などがそのマイナスを帳消しにします。特に低音の力感の向上がめざましく、最初に感じた低音の不足感は完全に消えました。

ギタリストが弦をリリースしたときに生じるアタック感が強くなり、エコーの強さや透明感も改善してギターの「むせび泣く感じ」が高まります。演奏の躍動感はやや小さくなりますが、それ以上に静かな部分が沈み込もことで演奏の奥深さが高まります。ノリノリで聞く音ではなく、演奏をじっくりと鑑賞させるように再現するのがSCRの特徴です。

(サランネットなし) + (NVS Copper2-Jumper)

低音の量感や力感はSCRから後退します。また中音の密度感や輪郭のきちっとした感じもやはり後退します。しかし、滑らかさや響きの良さ、音楽のノリの良さは向上します。低音楽器はややぼけて膨らみますが、不思議とリズムは弾みます。ギターは断弦した瞬間のアタックの力や切れ味は緩くなりますが、サスティン(余韻)部の変化が大きくなって左手で弦に掛けているテンションの変化が明確に伝わります。

音としては緩くなりましたが響きが増え、演奏は弾んで楽しくなります。とても心地よい音ですが、電子楽器的な「響きの少ないドライな感じ」が薄くなって、fourplayがまるで生楽器の演奏のように聞こえました。NVSは音楽を楽しく聞かせますが、モニター的ではないようです。

 (Restless Night 9曲目)

(サランネット付き)

ギターの音色は適度に金属的で心地よい感じです。ボーカルはややドライでたどたどしい感じを覚えますが、声の質感や表情には艶があります。低音が若干少ないせいか、ギターの包み込まれるような広がりは11L Signatureほどではありません。ボーカルも同じで音は立体的に広がりますが、音楽が限られたサイズの空間にぎゅーっと凝縮されたような鳴り方をします。箱庭、盆栽的なこの感覚はオリジナルのLS-3/5aとよく似ています。

アコーディオンの音色は繊細で儚く、この曲の雰囲気にとても良くマッチします。これで高域にもう少し鮮烈さ、アタックの鮮烈さが加われば、申し分のない音になりそうです。

(サランネットなし)

サランネットを外すともう少し欲しいと感じていたアタックの切れ込みの鮮烈さや、超高域の倍音が出て高域の透明感と鮮やかさが増します。ギターは生々しくなり、金属弦を使っているフォークギターらしい味わいが出てきます。5弦6弦の太さも良く出るようになりました。ボーカルは舌足らずさが消えて、成熟した女性の魅力が感じられるようになり、アコーディオンも透明感が増してギターとの掛け合いの部分のそれぞれの音色の変化がよりハッキリと繊細に描き分けられます。

ハーモニーの男性ボーカルがメインボーカルのカーラボノフの声を聞きながら、それを補助してハーモニーの厚みを増すように歌っていることがきちんと伝わります。国産品やHiFi一辺倒のスピーカーを使うと、全部の音がハッキリしてハーモニーの男性ボーカル(脇役)がメインボーカル(主役)に被り、演奏が乱雑(へたくそ)に聞こえることがあります。そんな音を聞いていると音楽のなんたるかを理解できない人が音を作ったのだろうと感じ、いらいらして音楽を聴くのがつまらなくなってしまいます。65thは全くその逆で、音楽を音楽らしく実に上手く再現しました。ただ、エイジングの影響もあるのでしょうが、65Thの音はオリジナルよりも少し硬くドライな感じに聞こえました。

(サランネットなし) + (SCR-Jumper)

ギターの音色は繊細さと色彩感を増し、楽器の質がかなり上がったように聞こえます。5弦6弦の音と1〜3弦の分離感が向上し、低音部と高音部のメロディーの違いがハッキリと伝わります。ボーカルも緻密さを増すのですが、少し元気がなく暗い感じに変化しました。アコーディオンも繊細さを増しデリケートな音になって、ハーモニー部分も美しく繊細になりますが、やはり少しパワー感が足りないように感じます。

11L Signatureでも感じたのですが演奏するソフトとの相性でSCRは緻密さと引き替えに、パワー感を損なう傾向があるようです。わずかな投資で上級モデルのSIN-Jumperが入手できますし、SIN-Jumperならこのような副作用は感じられませんから、どうせ購入なさるならSIN-Jumperを選ばれる方が間違いありません。

(サランネットなし) + (NVS Copper2-Jumper)

ギターの音色が開放的で明るくなります。SCRでは弦の直接音の変化が主体にギターの音が再現されましたが、NVSではギターの胴鳴りもきちんと感じられるようになります。それと引き替えに低音がやや緩くなり膨らみますが、全体的な音調はSCRよりも魅力的です

カーラボノフの声は発音の細部が聞き取れなくなりますが、雰囲気が良く表現に艶が出ます。アコーディオンの音色は、空中を漂うように響きが大きく広がります。ハーモニー部分では女性と男性がそれぞれの表現を気遣い、まるで恋人が寄り添って歌っているような実に良い感じに再現されました。NVSに変えるとSCRよりも躍動感やパワー感が向上して感じられますが、絶対的な「量」はSCRと変化していません。NVSの音が良いと言うよりは、SCRが音を細かく聞かせすぎて演奏がやや神経質に聞こえていたようです。映像の場合、粒子が粗ければ躍動感が演出されますが粒子が細かくなれば大人しく滑らかな画像に変化します。音も全く同じで、音質向上と音楽性を両立させるために細やかさとパワー感のバランスが非常に重要です。

 (シェーラザード 2曲目)

(サランネット付き)

バイオリンは適度に硬く適度に柔らかい音が出て心地よいのですが、エイジングが足りないのか高域にやや硬さを感じます。オーボエ、コンサートマスター、伴奏の分離とハーモニーはLS-3/5aの名に恥じない素晴らしさですが、やはりエイジングが足りないのか前後方向への広がりがやや浅いのが残念です。

ベースの音はサイズを感じさせない量感があり、音階の変化もきちんと伝わるのはさすがです。フォルテの部分でも音が団子にならず、金管楽器も混濁せずきちんと一歩前に出ます。演奏全体の組み立ての正確さ(自然さ)や躍動感の演出は価格やサイズの限界を感じさせず不満なく音楽に没頭できます。この絶妙にチューニングされた感覚は、オリジナルのLS-3/5aを彷彿とさせました。

(サランネットなし)

ネットを外すとバイオリンの高次倍音がすっと上に抜けて、若干気になっていた硬さが消えました。オーボエはまろやかさと深みが増しました。コントラバスは音色の深みが増し、位置がすっと後に下がって前後方向に奥行きが深くなりました。ピチカートで演奏されるチェロの分離も向上します。演奏全体の表現の深みが向上し、演奏のスケールも一回り大きくなったように感じられます。

気になっていた音の広がりも改善され、ほとんど不満がなくなります。このサイズ、この価格でシンフォニーをこれほど本格的に鳴らせるスピーカーはそう多くないはずです。復刻とはいえLS-3/5aの能力は侮りがたいようです。

(サランネットなし) + (SCR-Jumper)

SCRによる各楽器の音質改善は圧倒的で、バイオリンの繊細さハープの音色の美しさが格段に向上します。聞こえなかったホールに反射て戻ってくるバイオリンの音が聴き取れるようになります。オーボエもリードが震える音がきちんと聞こえるようになります。特に弦楽器の数が一気に増え細かな音が怒濤のごとく流れ出してくるのは圧巻でした。

SCRの音質改善に伴うシンフォニーの再現性の向上は相当大きく魅力的です。またカーラボノフで感じられた躍動感・パワー感の減退は、シェーラザードでは一切感じられず、演奏の緻密さや美しさだけが大きく向上しました。各々の楽器の持っている音色の特徴がきちんと描き分けられ、それが実に楽しく音楽を弾ませます。こういう音で聞けなければシンフォニーは面白くありません。

(サランネットなし) + (NVS Copper2-Jumper)

バイオリンの高次倍音はSCRほどスムースに伸びず、適度にロールオフします。オーボエもリードの音は聞こえませんが、木管らしいリッチな響きが感じられるようになりました。コントラバスの低音は少し量感が少なくなり、音階がやや曖昧になりました。クラリネットもオーボエ同様に響きが多くなるのと引き替えに、輪郭がやや曖昧になりました。高音のメリハリが減少し響きが多くなることで、ホールでの座席位置が少し後に下がったような印象を受けます。

オリジナルのジャンパーより相当音質が改善しているのですが、シンフォニーに関しては先に聞いたSCRの効果があまりにも大きすぎたようで、NVSはやや物足りなく感じます。各楽器の音がSCRよりも混濁し音場が濁ってしまうのですが、音楽全体のまとまりや表現力はなかなか素晴らしく、しばらく聞いていると音質の低下がまったく気にならなくなって、音楽に自然と引き込まれました。

 (fourplay/1曲目)

(サランネット付き)

65Thと比べると高域が柔らかくそれが原因で低域も少し膨らみ加減になりますが、各々の楽器の音色の分解能は65Thを明確に凌ぎ音が心地よく分離します。低音も音は少し膨らみますが、リズム感や音程の再現性は抜群で楽曲が実にリズミカルに躍動します。驚くのはエレキベースの低音の再現性で、実際には出ていないはずの低音まで聞こえ、肌が振るえる感覚まで覚えるほどです。

高い音の質感と音色の鮮やかさが素晴らしく、シンバルのメリハリの効いたアクセント感、リードギターの"走る"感じがとても楽しく音楽が弾みます。ピアノの音も非常に美しく響き、演奏者のタッチや感覚がダイレクトに伝わります。下手なスピーカーで聞くと、このアルバムは「それぞれの楽器が勝手に鳴って演奏者の存在感が薄いものとして再現」されてしてしまうのですが、V2の奏でるサウンドは非常に有機的で演奏者の存在感が強く伝わります。低音の若干の緩ささえ許容できれば、V2で聞くfourplayは満点に近いイメージです。ピアノの音の良さとエレキベースの押し出しの強さが、最後まで耳に残りました。

(サランネットなし)

ネットを外して高域が伸びた65Thと違って、V2は高域がほとんど伸びません。シンバルの音も鮮烈さを増すはずが、逆に力が抜けてしまったように感じられます。ピアノの音も粘りがなくなって、グランドピアノがアップライトピアノになってしまったように厚みがなくなりました(実際はシンセサイザー・キーボードの音のはずですがそのように聞こえます)。

低音の押し出し感が後退し、演奏全体のパワー感も損なわれました。普通はサランネットを外すと、音は鮮やかさを増し特に高音がすっきりするものですが、V2はそうなりません。非常に不思議なことです。それだけV2のチューニング、音作りが雑妙なのでしょう。サランネットを外すとV2本来のまとまりの良さが後退し、魅力が半減しました。V2はネットを付けて聞いた方が良さそうです。

(サランネットなし) + (SCR-Jumper)

ギターの密度感が大きく向上します。感じられなかった空気感が出て、音が大きく広がります。エレキベースの低音が1オクターブくらい低くなったように太くなり、パワー感が増大します。ピアノも密度感と質感が大きく向上しました。しかし、高域はわずかに重くなったように感じられ、輝きが少し薄れます。ベースもパワー感は向上しましたが、タメが感じられず「空振り」しているように聞こえます。

なんだかな?と思いながら、念のためにサランネットを取り付けてみると、中低音の厚みが増し演奏にタメが出て音楽が非常に楽しくなりました。V2はネットがなければモニター的な素っ気ない音ですが、その音はモニターとして非常に優秀で素直な音です。ネットを付けると表情が一気に変わり、音楽的で聞いて楽しい音に変化します。もしV2の制作者が意図して、サランネットのあるなしでモニター・スピーカーと音楽・スピーカーを切り替えられるように作っているとすれば(実際、そのようにしか感じられないのだが)これほど巧妙なチューニングは、他に例がありません。これほどレベルの高い音作りがなされたV2の素晴らしさを理解できるかどうかが、オーディオマニアの卒業検定になると行っても良いほどこのスピーカーはレベルが高く仕上げられています。恐ろしいほどです!

(サランネットなし) + (NVS Copper2-Jumper)

ジャンパーをNVSに変えると、ギターの音色が太くなります。ギタリストがより甘く、胴鳴り(ボディーの鳴り)が多いギターに持ち替えたように聞こえます。ベースはリズミカルですが分離はSCRよりもかなり悪く、低音も膨らんでメロディーラインとリズムセクションが混じります。ベースプレーヤーが弦を強くリリースしてアタックの高次倍音を強調しリズムラインを明確にしようとする試みがあやふやになって、リズムを刻む正確さと押し出し感(ベースの音が前に出てくる感じ)が失われます。

話は変わりますが、低音が前に出ないから低音に強いアンプに買い換えたいという相談を受けることがあります。しかし、スピーカーから出る低音自体はサブウーファーのようにふわふわしているだけでアンプを変えてもそれはあまり変わりません。重要なのは低音楽器が発する高次倍音をきちんと再現することです。そうすることで低音は前後に広がり、リズムがきちんと刻まれるようになるのです。スーパーツィーターを追加すると低音が変わるのはそのせいです。オーディオの技術者やオーディオマニアは、もっと「演奏者(達人でなければならないが)が楽器の音をどのようにコントロールしているか?」を学んで欲しいと思います。そうすることでより合理的にオーディオの音をチューニングできるでしょう。電気的に音を分析しデーターから音を理解しようという試みは、非科学的で時代遅れです。

 (Restless Night 9曲目)

(サランネット付き)

上手く表現できないのですがギターの音色、ボーカルの声が実に「しっくり」きます。違和感が一切ない自然な音で、ただただ音楽に聞き惚れてしまいます。あらゆる音が自然であらゆるバランスが適正。それ以上に表現するべき事は何もありません。素晴らしいV2は人に感動を与えるスピーカーです。耳の肥えた私を感動させる製品などそうそうないのですが、V2は私の耳を遙かに超えた高いレベルでオーディオという製品の底深さ、スピーカーというプロダクツの可能性を見せてくれます。

大金をはたけば音が良く性能の良いスピーカーはいくらでも手に入ります。しかし、V2のように「作り手の真心」を感じさせてくれる製品は、お金を払っても巡り会えるものではありません。オリジナルのLS-3/5a以上にV2を高く評価します。さすがにオリジナルの設計者が復刻した製品です。

(サランネットなし)

この楽曲ではサランネットを外してもV2の音楽性はほとんど損なわれずサランネットを外したことでよりリアルに一歩音源に近づいたように演奏が再現されますが、ギターは少したどたどしくなりボーカルに緊張感が感じられるようになります。アコーディオンはすぐ側で弾いているかのように、繊細に倍音が分離して聴き取れます。男性ボーカルと女性ボーカルは、マイクの前で歌っているような感じに変化します。結果として演奏に少し力が入りすぎ、ややぎくしゃくした感じに聞こえますがこちらが本当の演奏に近いのかも知れません。

V2はサランネットを外すとがらりと雰囲気が変わり、レコーディングの状況やマイクが捉えた音がどのようなものであるか?などが非常に細かくかつ正確に伝わるようになります。サランネットを外した音はレコーディングモニター的で非常に精度が高いものです。ネットあるなしの作り分けの見事さにも舌を巻かされます。

(サランネットなし) + (SCR-Jumper)

SCRはV2のモニター・スピーカーとしての性格をより強めます。解像度は高くなり、楽器のデリケートな音の変化まで驚くほど細やかに再現されます。ただし、ギターの弾き方は繊細になりますが少し力が弱くなり、ボーカルもデリケートになって艶も乗ってきますが、やはり少し元気がなくなります。SCRを使った音を聞いていると、これほど緊張して音楽の内面に向かわず、もっと開放的で楽しく演奏をしても良いのではないか?と感じます。もし、私がレコーディングの現場に立ち会っていたとすれば、ティーブレイクを取って軽い冗談でも言いプレーヤーの緊張を解くように務めるでしょう。

以前、プロの女性フルート演奏家の練習に立ち会ったとき演奏がどうすればさらに良くなるかというアドバイスを求められた事があります。その時私は、聴衆の存在を忘れ虫や花に演奏を聴かせているように無心に吹けないだろうか?とアドバイスしました。するとどうでしょう?演奏ががらりと変わったのです。人間という器を捨て場のエネルギーや地球あるいは宇宙の波動と奏者が融合したとき、とてつもない美しい音が出ることがあります。演奏者がすべての欲を捨てて心の力を抜き、「無心」になったとき楽器は最上級の美しい音を出します。

天上の音楽と言っても過言ではないそういう素晴らしい演奏を再現するためには、オーディオ機器も欲のないバランスの取れた音、癖のない自然な音作りが求められます。

(サランネットなし) + (NVS Copper2-Jumper)

音が出た瞬間にギターの音が、生々しいことに驚きました。ボーカルの質感や表現力も抜群で今回の試聴でこのソフトにベストな音が出たように思います。NVSはSCRよりも音が太く、暖かく、有機的で躍動感を感じますが、V2がそうであるようにNVSも実に丁寧に音楽を聴き作られているのでしょう。

NVSのサウンドは確かにSCRのように明瞭度や解像度が最高に達していませんから、その部分にオーディオマニアは不満を感じるかも知れません。しかし、音楽を表現するのに必要なものは「対比」であって「絶対値」ではありません。熟練した画家なら鉛筆一本でも今に動き出しそうな人物像を描けますが、それは「絶対値」ではなく「対比」によって対象を表現することに長けているからです。オーディオも大切なのは「音作り(絵画の表現力)」であって「音質(絵の具の種類や良さ)」ではありません。音質と音楽性のバランスに迷ったら、V2から学んで下さい。V2にはオーディオで音楽を再生するために必要なすべてのエッセンスがバランス良く詰まっているのですから。

 (シェーラザード 2曲目)

(サランネット付き)

ぱっと聞くと特に感動しない音に感じますが、それはあまりにも自然で普通の音だからです。しかし、曲が始まって1分もしないうちに演奏にどっぷりと聴き入っていることに気づきます。

ハープの美しい響きに乗ってコンサートマスターが表現する、シェーラザード姫の心模様。オーボエがそれを繰り返し、クラリネットが新たな展開を予感させる。シェーラザード姫が舞っているような弦楽器の流暢なメロディーにうっとりしていると、やがてそれぞれの楽器はクライマックスに向けてリズムを早めます。しばらくすると再び静かで儚いメロディーへと回帰する。V2で演奏を聴いているとシーンが目に浮かび、脳裏にドラマが展開します。

言葉がなくても、言葉がないから、より深くそして大いに想像力がかき立てられる。それが交響曲の最大の魅力です。これほどの完成度で再生音楽を味わってしまうと、下手な生演奏では満足できなくなります。

(サランネットなし)

バイオリンの音は繊細ですが、少し細くなります。オーボエも緻密ですが、少しあっさりした音になります。サランネット付きで感じた音場の理想的な球形の広がりが失われ、生演奏を彷彿とさせる音がモニター的で未完成なオーディオの音に変化しました。

オーディオの難しさを「煮込み料理」にたとえて表現するなら、煮込みの「加減」が難しいのだと思います。煮込みが足りないとそれぞれの素材の味がばらばらなままで「煮込みの良さ」が出ません。しかし、煮込みすぎると今度はそれぞれの素材の味が消えてしまい「良質な材料を使った味わの良さ」が消えてしまいます。素材の新鮮さや良さを感じさせる程度に煮込むのがポイントです。この微妙な「煮込みのさじ加減」がオーディオに通じます。

V2に話を戻しましょう。サランネットを付けているV2は絶妙の煮込み加減で音楽を再現しますが、サランネットを外すとそれぞれの素材の味が強くなり煮込みが少し足りない感じに変化します。素材それぞれの味を確かめたいのならサランネットを外し、完成した料理の素晴らしさを味わいたければサランネットを付ければそれが味わえます。V2でサランネットを付けたり外したりしながら、それぞれの味わいを確かめると勉強になるはずです。

(サランネットなし) + (SCR-Jumper)

バイオリンとハープの緻密さが大きく向上します。エコー(響き)部分の再現性と解像度が大きく増加し、ホールトーンがほぼ完全に聴き取れるようになります。オリジナルのジャンパーではサランネットを外すと楽器の音が分解されたように聞こたのですが、SCRを使うと解像度が増加しホールトーンが再現されることで演奏にまとまりが感じられるように変化します。結果としてサランネットなしでも、生々しくリアルに生演奏の雰囲気を味わえます。

サランネット付き+オリジナルジャンパーは、生演奏を違和感なく思い起こさせるバランスの取れた音でした。サランネットなし+SCRは、よい音ですがほんのわずかにオーディオ機器の存在が感じられ、高度にチューニングされた再生システムで生演奏をリアルに再現しているように聞こえますが、ある意味ではこれがオーディオとして到達しうる最高レベルのバランスのように思います。

V2はネットを付けるとオーディオの限界を超え、オーディオがこれまでに到達したことがないほどの素晴らしいバランスで音楽を聴かせてくれます。V2の巧みな音作りにリスナーは完全に騙されます。音楽への興味が大きければ大きいほど、オーディオに興味が少なければ少ないほど、V2はその思いに堪えられます。サイズ、価格を超越した素晴らしい音楽性を持つV2の音は、オリジナルのLS-3/5aの伝説に恥じず、それを塗り替える可能性すら感じさせます。

(サランネットなし) + (NVS Copper2-Jumper)

サランネットを外しているのでまだ少しオーディオを感じさせる音が残っていますが、SCRに比べるとNVSは遙かに生演奏を聴いている雰囲気に近い音を出します。NVSの最大の美点は楽器の音色の変化や奏者のタッチの違いがきちんと伝わってくることです。NVSを使うと音を通じて演奏者の考え(シンフォニーでは指揮者の意図)が正しく読み取れる(正しく読み取れると感じられる)気がします。

高域が適度に減衰することで中域の厚みが増します。高域の減衰に合わせたかのように低域の量感が後退し、全体のエネルギーバランスは適正に保たれます。何とも言えない生楽器の音色の良さが深まり、ホールトーンの美しさが伝わります。NVSは音楽をく美しく再現し、演奏を楽しく聴かせるV2の味わいを深めます。音楽家はこういう音で演奏を聴いて欲しいのだろう、あるいは聞きたいのだろうと感じさせる音です。NVSのサウンドからは、音楽を何よりも大切にしたいという制作者の意図がハッキリと伝わりました。

総合評価

11L Signatureは、11L2を大きく超える完成度の高いスピーカーでした。

音は細かくなり、周波数レンジが広がり、ウーファーとツィーターの繋がりが改善していますが、本来の持ち味である自然で癖のない音に磨きがかかっています。この音ならどんなアンプと組み合わせても、あるいはどんなジャンルの音楽を聴いても素直に追従するでしょう。外観の美しさは変わりませんから、この価格帯ではもっともお薦めな素晴らしいスピーカーに仕上がっていると思います。

Rogers LS-3/5a 65Th Anniversaryは、先に発売されたLS-3/5aのあまりの変貌ぶりにその出来映えをかなり心配していたのですが、予想は良い意味で裏切られオリジナルのLS-3/5aに近い雰囲気に仕上がっていることを確認できました。

サイズを感じさせない高い音楽表現能力、こんなに小さなスピーカーなのにサブウーファーの必要性を感じさせない十分な低域再現能力、演奏をコンパクトにまとめ上げて、リスナーに不満を感じさせない能力などは、オリジナルのLS-3/5aを彷彿とさせるものでした。価格も安く(65Thと比べると同クラスのヨーロッパ製品は割高に感じられます=65Thは安くてもライバルよりも音が良いと考えて頂いて大丈夫です)自信を持ってお薦めできるスピーカーに仕上がっていました。

Stirling Broadcast LS-3/5aV2は、その外観がオリジナルのLS-3/5aと少し違います。しかし、それはオリジナルを超えるために変更されたと考えるべきです。V2はオリジナルを作った設計者自らが復刻した製品だけあって、外観や音質の変更はすべて「LS-3/5aの正常進化」のためであったと納得させられます。

オリジナルのLS-3/5aも素晴らしいスピーカーでしたが、復刻されたV2はそれを上回るより素晴らしいスピーカーに仕上がっています。オーディオの終着点に相応しい作品、それがこのLS-3/5aV2ではないでしょうか?

このスピーカーの良さをおわかりいただけるオーディオファンを一人でも増やすことが、オーディオという趣味の厚みを増すことに繋がると思います。しかし、残念なことにV2はまだわずかしか売れていません。インターネットだけでは、良い商品をお客様に紹介しきれないもどかしさと力不足を強く感じます。Stirling Broadcast LS-3/5a V2は、歴史に残る素晴らしいスピーカーだと私は確信しています。一聴していただければ、光栄です。

2011年7月 逸品館 代表取締役 清原 裕介 

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