sssssssssss B&W 800D4シリーズ全部をD&M川崎本社試聴室(澤田ルーム)で澤田さんと一緒に聞き比べました。このページは、オーディオ逸品館が製作しました。

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B&W 800D4シリーズ全部「805D4」、「804D4」、「803D4」、「802D4」、「801D4」を、D&M 川崎本社試聴室(通称澤田ルーム)で、澤田さんと一緒に聞き比べてみた。

このテストレポートは、リニューアルされた新しい逸品館.comでより快適にご覧いただけます。
https://www.ippinkan.com/news/2022/02/15/4554/

  ”B&W 800D4 Series” 5モデル全部

  

 

  

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私にとって「B&W」は、長年やっかいなブランドでした。ブランドイメージが高く、アビーロードスタジオで使われているということもあって「音が良い」と言うことが通説だったからです。

けれど残念なことに、私は今までB&Wで音楽を楽しめたことがなかったのです。

私はコンサートの録音時、リハーサルで「ピアノの調律」に立ち会ったことがあります。子供の頃ピアノ学校に通わされ、練習がいやだったので「聞き取りテスト」ばかりやらされていたこともあって、ピアノの音にはとても敏感です。

各音の周波数がきちんと割り切れる数値で構成される「純正律」とは違い、現代音楽に使われる音階「平均律」は、割り切れない周波数を使います。そのためピアノのように複数の弦が同時に鳴る(共鳴する)楽器では、周波数のずれに応じた「うなり」が生じます。ピアノを調律するときには、それぞれのキーの音階を合わせるだけではなく、複数のキーの音のずれ(うなり)も調整します。それでもコンサート(演奏中)の空気の温度や湿度でズレてしまうほど、調律とは繊細なものです。

けれど正確に調律されているはずのピアノをB&Wで再生すると、「ツィーター」、「スコーカー」、「ウーファ」で再生されるピアノの音が「微妙にマッチしない」のです。例えるなら、ツィーターは「スタインウェイ」、スコーカーが「ヤマハ」でウーファーは「河合」という具合に、各ユニットが割り当てられている周波数帯域によって再生される「ピアノのブランド」が違って聞こえるほどなのです。

今まで、その理由はダイアモンド振動板の「音色」とその他の振動板の「音色」が違っているからだと考え、ダイヤモンド振動板をあきらめない限り、B&Wの音は良くならないだろうと考えていました。実際に2018年11月に発売された「アルミニウム振動板」をツィーターに使う、607S2 Anniversary Editionを聞いたとき、それまで私にとって「評価対象外」だった、あのB&Wがクラストップレベルの音質に変貌していたことに大変驚きましたし、2020年7月に発売された「アルミニウムをカーボンでコーティングした振動板」をツィーターに採用した、702 Signatureに至っては、過去発売された「すべてのB&Wで最高!」と感じたほどです。

だから、800シリーズがD4になって、どんな音を聞かせてくれるのか?あるいは、再び苦い失望を味あわされるのか?ドキドキでした。そして10月、D&M本社の試聴室ですべてのD4シリーズを聞き、私はとても驚かされました。

あの!B&Wが文句の付けようがないほどナチュラルで、素晴らしい表現力で音楽を奏でてくれたからです。アビーロードスタジオがすべてのD3を「即時D4に入れ替えた」と聞いて、納得しました。
すべてのD4を聞いて、私が注目したのは、2つのモデルです。

805D4は、607S2 AEが聞かせてくれた「精緻さと美しさの融合」がさらに昇華され、クリアでシャープな中高域が聞かせるホログラムのようにリアルな定位、サイズを感じさせない豊かな低音を再現し、このサイズ、このクラスで唯我独尊の素晴らしいスピーカーに仕上がっていると感じました。805D4は、10畳程度までのリスニングルームでは、最高の相棒となるはずです。

802D4は、805D4で唸らされた「精緻さと美しさの融合」をさらに深化し、スケールアップしたその音は、マニアが「B&W」と聞いて想像する「最高のサウンド以上」の素晴らしい音質に仕上がっていると感じました。

805D4と802D4は、同じ価格帯では他にライバルが見つからないというのもこの2モデルに注目した理由です。

残る3つのモデルですが、803D4と804D4は、同じ価格帯で他に(例えばVienna Acoustics)など「選べるライバル」が存在すると言う理由で「唯一の推薦スピーカー選」からは漏れました。801D4は、ウーファーのサイズが大きすぎて低音を引きずるので、30畳以上の専用リスニングルームで「爆音」を出さない限り、802D4がすべての点で勝ると考え、やはり推薦から外しました。

以上が、2021年10月に開催されたD&M川崎本社での「800D4」発表会で味わった、B&W「信者」でない私が、趣旨替えをさせられるほどのこのD4の「変貌ぶり」です。

当然、こんな大ニューズは「空気録音」で客様にお伝えするべきです。

いつもならば、すべての800D4シリーズを逸品館に持ち込んで「空気録音」するのですが、今回はあまりにもスピーカーが大型過ぎるのと「D&M川崎試聴室(通称澤田ルーム)」=本丸でD4がどんな音で鳴っているのかも、お客様にはとても興味のあるところだと思い、今回は私がD&M川崎本社試聴室(通称澤田ルーム)まで「収録機材」を持ってお邪魔し、澤田さんにお話を伺いながら「リモート試聴会」という形式で、動画を撮影した方が良いと考えました。

D&Mの全面的な協力が得られ、2022年1月14日(大安)に「澤田ルーム」を訪れ、オーディオ界のレジェンド澤田氏にお付き合いいただきながら、805/804/803/802/801の順ですべてのD4モデルを「取材=空気録音」しました。

私には、すでに体験した試聴の繰り返しになりますが、801D4のみは「まったく印象が変わって」いました。先に書いたように、昨年聞いた時、801D4は爆音で鳴らして始めて実力を発揮できるスピーカーで家庭用には向かないと感じたのですが、イベントなどでの鳴らし込みの成果が功を奏したのか、今回聞いた801D4はスピーカーが変換出来るかできないぎりぎりの微小信号すら確実に音に変えて、無音部にすら濃厚な気配を醸し出せるほどの「成長」を遂げていました。これなら、ご家庭での最小音量からスタジオでの爆音まで、あらゆる複雑な音を正確無比に再現できるでしょう。さらにこの日聞いた801D4は、ただ忠実なだけでなく、音楽の躍動感・生命感までグイグイと伝えてくれました。

澤田さんも仰っていましたが、801D4のこの変貌は「ウーファーの微小信号のレスポンス向上」によってもたらされたと考えられます。今回のモデルチェンジで、801D4はウーファーを支えるダンパーを従来の2つから1つに減らし、「ウーファーの動きやすさ」を改善していますが、数ヶ月の鳴らし込みによって、そのシングル・ダンパーがさらにこなれた結果、評価が激変したのでしょう。

B&Wに限らず「ウーファーの動きやすさ」と「動きの正確性」は、スピーカーの音質改善にとても重要な役割を持っています。例えば「TANNOY VINTAGE」モデルのウーファーは、経年変化の少ない硬いエッジがほぐれるまでその進化を発揮しません。「ほぐれ」にかかる時間は、普通の音量なら少なくとも数百時間から千時間近くかかります。その後もどんどんこなれて行きますから、TANNOYは本領を発揮するまで数年、鳴り切るにはそれよりもさらに長い時間が必要です。月に数日程度しか使わないならTANNOYは、いつまでたっても本領を発揮できないでしょう。

逸品館3号館には、国産最高峰であると共に世界最高峰でもある、「TAD」のフラッグシップ・モニタースピーカー「R1TX」を設置しています。このスピーカーは、世界で唯一「スピーカーが理想とする点音源」と「同一素材の振動板」を最も高いレベルで実現する「同軸2Wayユニット(CST)」を搭載しますが、このユニット(CST)には「TADだけの蒸着方式(他メーカーは鍛造)」によって作られる究極のベリリウム振動板が使われています。通常の「鍛造」で加工されるベリリウムよりもさらに軽く、内部音質の大きいこの「蒸着製法ベリリウム」を振動板に使うことで、CSTは「250Hz〜100kHz」の広帯域を「口径16mm」のユニットから再生します。この「CST」は、初代R1から最新のR1TXまで「同じもの」が使われています。もちろん、R1TXにも同じものが使われています。

R1 TXは、音波の回折低減のためエンクロージャのエッジがMark2よりも僅かに「丸み」を帯びています。これは、エンクロージャ−の製造メーカーを「天童木工」に変えることで可能となりました。それ以外の部分、全体の形状やサイズ、あるいはユニットなどには変更が加えられていないように見えますが、R1もMark2からTXへのモデルチェンジで800D4シリーズと同じように「ウーファーの初動感度」が改善され、微小信号でもしっかりとウーファーユニットが動くようになったことで、音色(色彩感)が濃くなり、演奏の表情がより一層有機的で色濃く再現されるようになりました。特にその変化は小音量時で大きく、またセッティングの難しさも大きく緩和されました。

R1TXの「変化」は、今回800D4で感じたものとまったく同じでした。今まで「高域が問題」と思っていたのが、実は間違いで中低域の「レスポンス」が、高域のユニットに追いついていなかったことだと、800D4とR1TXを聞いて理解できたのです。

そしてこの「初動感度の高さ(早さ)」と音楽の再現性の密接な関連性は、スピーカーだけではなくすべてのオーディオコンポーネントやアクセサリーにも通じます。今回「音源」として使用したTAD D1000TXも「レーザー光補正レンズの追加によるピックアップレンズのピント向上」、「電源のグレードアップ」、「非磁性体抵抗」の採用などにより、やはり「微小信号の再現性(初動感度の向上)」が実現し、Mark2から大幅な音質改善を達成しています。

今なお、TADの音を「無表情で冷たい」と誤解している方は、是非新しくなったTXシリーズの音質をチェックしていただければと思います。

TAD R1 発表試聴会 Mark2とTXの聞き比べ

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TAD R1 TX 発表試聴会
1回目 2回目

TAD E1 TX ご紹介と試聴

ご紹介と試聴 E1TXと真空管プリアンプ
E1TXでクラシックを聞いてみた E1TXでジャズを聞いてみた
E1TXで洋楽を聴いてみた E1TXで邦楽を聞いてみた

TAD D1000TX ご紹介と試聴(リモート試聴会)

従来モデルD1000 Mark2との聞き比べ 普段使っているソフトをD1000TXでじっくり試聴
D1000TXとDA1000TXの聞き比べ Esoteric/Grandioso K1Xとの聞き比べ

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それでは、大きく進歩した「800D4シリーズ」の音を「空気録音」でお楽しみ下さい。
※動画は、解説の関係でなるべく「805>804>803>802>801」の順にご覧下さい。

B&W 805D4

税別価格(1本)グロス・ブラック 510,000円 / ローズ・ナット / サテン・ホワイト / ウォールナット仕上げ 490,000円

聞き比べの動画(YouTube)

B&W 804D4

税別価格(1本)グロス・ブラック 910,000円 / ローズ・ナット / サテン・ホワイト / ウォールナット仕上げ 870,000円

聞き比べの動画(YouTube)

B&W 803D4

税別価格(1本)グロス・ブラック 1,600,000円 / ローズ・ナット / サテン・ホワイト / ウォールナット仕上げ 1,490,000円

聞き比べの動画(YouTube)

B&W 802D4

税別価格(1本)グロス・ブラック 1,980,000円 / ローズ・ナット / サテン・ホワイト / ウォールナット仕上げ 1,870,000円

聞き比べの動画(YouTube)

B&W 801D4

税別価格(1本)グロス・ブラック 2,480,000円 / ローズ・ナット / サテン・ホワイト / ウォールナット仕上げ 2,370,000円

聞き比べの動画(YouTube)

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2022年2月 逸品館代表 清原 裕介

 

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