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ifi i-StreamとAIRBOW SA12 OSE Masterを組み合わせて、AIRBOW Enterprise sとCHUWI Hero Box、CD/SACD 光ディスクを聞き比べてみた!
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iFi Audio "NEO Stream" 「ストリーマー」と呼ばれる、この製品を使えばネットワーク入力を持たないデジタル機器をネットワークに繋げられます。 ifi Audio Neo Stream メーカー希望小売価格 180,000円(税別)
現在お使いのDACをNeo Streamに繋ぎ、Neo Streamをネットワークに接続すれば、ネットワーク入力が備わらないDAC(CDプレーヤーなど)ネットワークプレーヤー(DAC)として使えるようになります。Neo Streamには、USB、同軸、光、AES/EBU、I2Sのデジタル出力が備わり、ほとんどのDACをNeo Streamに繋げます。 Neo Streamは音楽再生専用にLinuxをカスタマイズして搭載することで、最大PCM768/32bit、DSDx512(24.6MHz)までの信号に対応する高音質ストリーマとして動作しますが、より特徴的なのは切り換えたそれぞれの入力信号、「DLNA/UPnP/OPEN Home(汎用の音楽再生プロトコル)」、「Roon Ready(Roon独自の高音質音楽再生プロトコル)」、「TIDAL/Spotify Connect(ストリーミングサービスに合わせた音楽再生プロトコル)」、「Apple Airplay(Apple社の音楽再生プロトコル)」、「HQ Player NAA(HQ Player専用の音楽再生プロトコル)」に合わせてLinuxのプログラムを切り換え、OSレベルでそれぞれに特化した高音質な動作を行えるように作られているところです。またLAN信号を光に変換し、ジッターやノイズを低減して音質を向上させるための「専用LAN光変換アダプター」まで付属し、これでもか!というほど音質への備えは万全です。 この「アダプター(Opt-Box)のある・なし」をチェックしましたが、大きな効果が確認できました。 電源にも「ifiの高音質電源」が付属し、短いですが必要なケーブルも添付されていますから、購入後すぐに音を出すことができると思います。ケーブルは、それから順次グレードアップするとさらに良い音が聞けると思います。 デジタル出力は、USB、I2S、光/同軸、AES/EBUと種類が豊富で、さらにそれぞれの出力は単独(選択しない出力はOFFになります)で動作させられます。アナログ出力は、RCAとジャック型のバランス出力が各1系統備わります。 使い勝手も良くできています。フロントのツマミだけですべての設定変更が可能ですし、小さいですが縦置き横置きに対応して自動的に切り替わるフロントの表示パネルには、楽曲の情報だけではなく、ジャケットまで表示されます。 今回は、このストリーマーとAIRBOW SA12 OSE Masterを組み合わせて、2万円で購入した小形ファンレスPC「CHUWI Hero Box J4125」に2TBのSSDとAIRBOWの専用電源を組み合わせた約9万円のPCシステムと、75万円のAIRBOW音楽再生専用PC Enterprise S、さらにSA12 OSE Masterにセットした「光ディスク」を聞き比べました。 AIRBOW SA12 OSE Master ΔΣ型ディスクリートDACを搭載するmarantz SA12 OSEをベースに、約100個のパーツを高音質部品に換装することで、上級モデルSA10を超えるほどの滑らかさと、圧倒的に豊かな表現力を実現したAIRBOWのカスタムモデル。 今回は、Neo StreamとUSB接続することで、ネットワークプレーヤーとして使っています。 AIRBOW SA12 OSE Master メーカー希望小売価格 450,000円(税別)
聞き比べの概要 試聴は、プリメインアンプAIRBOW PM12 OSE MasterとスピーカーFocal 40th(CLT-5を追加)を組み合わせて行いました。 試聴したのは、「せせらぎ(WAV 44.1kHz/16bit)」、「新世界より(WAV 44.1kHz/16bit)」「Love(192kHz/24bit)」、「Mona Lisa(WAV 44.1kHz/16bit)」、「カンターテドミノ(DSD 5.6MHz)」の5曲です。 さらに「せせらぎ(CD)」、「新世界より(CD)」、「Love(SHM-CD)」、「Mona Lisa(SACD)」、「カンターテドミノ(SACD)」の4枚の光ディスクも聞き比べました。 ※YouTubeにアップロードした動画の音声は、SA12 OSE Masterの出力を直接録音した「電気録音」です。 1.「せせらぎ(WAV 44.1kHz/16bit vs CD)」で聞き比べ 2.「新世界より(WAV 44.1kHz/16bit vs CD)」で聞き比べ 3.「LOVE(FLAC
192kHz/24bit vs SHM-CD)」で聞き比べ 4.「Monna Lisa(WAV 44.1kHz/16bit vs SACD)」で聞き比べ 5.「Cantate Domino(DSD 5.6MHz vs SACD)」で聞き比べ AIRBOW PM12 OSE Master 販売価格 450,000円(税別)(詳細はこちらから) ARIBOW
CLT-5 メーカー希望小売価格 175,000円(ペア/税別)(詳細はこちらから)
Focal
Spectral 40th メーカー希望小売価格 960,000円(ペア/税別)(詳細はこちらから) Neo Streamに接続したPCは、廉価なCHUWIにAIRBOWの電源を組み合わせたシステムと、高音質のAIRBOW Enterprise Sです。 CHUWI HeroBox J4125 amazonで購入できる2万円強の小形ファンレスPCです。CPUに4コアのCeleron J4125が使われ、オーディオ専用PCとして使うには十分な速度を持っています(4コアのi5などのファンレスモデルもアマゾンなら、8万円前後で購入できます)。 OSはWindows11にアップデートし、Roon CoreとJRiver Media Center 29をインストール。今回はUSB3.0に接続した2TBの外付けSSDに記録した音楽データーを再生しました。
AIRBOW IDC-RMP12 販売価格 45,000円(税別) AIRBOW ミュージックPC Enterprise S 高音質マザーボードに高性能CPU、メモリー、4TBのHDD、リニア電源を組み合わせた高音質音楽再生専用PC。 AIRBOW Enterprise S i7モデル 特別価格にて販売中 680,000円(税込)(詳細はこちらから) →→ → CHUWI Hero Box+Neo StreamをAIRBOW SA12 OSE Masterに「USB接続」して、RCAアナログ出力を聞いてみた。 音質がクリアで見通しが良い。解像度は高いが、HiFiに偏らず有機的な生々しさが醸し出される。
SA12OSE Masterの良さがNEO Streamによって十分発揮される。LAN入力にありがちな音の固さ、もやもやした見通しの悪さが全く感じられない。小さな音から、大きな音まで揺らぎなく再現される。金管楽器の「抜け感」、弦楽器の「圧力」、ハーモニーの「重厚感」がきちんと再現される。
グランドピアノの「厚み」、ウッドベースの「重み」、ボーカルの「力強さ」がきちんと再現される、LAN入力にありがちな「薄っぺらさ」とは無縁の心地よい音。伴奏同士の分離、ボーカルの分離もよく、温かいムードのある音で演奏が楽しめた。
まだ「若い」グレース・マーヤさんの声が清々しく、魅力的。きれいな発音の英語、ギターの透明感もうまく再現されている。ボーカルは中央に、ギターはやや左側にシャープに定位する。ギターの残響が右側のスピーカーからはっきりと聞こえ、左右の分離も抜群。キュートでやさしく艶のある音は、アナログ・ディスクを聴いているかのようだ。
フォーマットは「DD256」だが、意外にCDからリッピングした音との差はそれほど大きくは感じられない。それでも、ボーカルのなめらかさ、パイプオルガンの温かい重厚感、コーラスの厚みなどにDSDの良さが出てきている。 しっかり聞くと、音の粒子がとてもきめ細かく、滑らかだとわかる。 →→ → AIRBOW Enterprise S+Neo StreamをAIRBOW SA12 OSE Masterに「USB接続」して、RCAアナログ出力を聞いてみた。 水の量が増え、音質がさらにきめ細かく滑らかになる。水の音と鳥の声の分離が向上し、目をじると完全に「せせらぎの前」に立っているイメージになる。もはやこれ以上の「音質」は不要と断言できるほど完璧な音になった。とてもゆとりを感じさせる。
金管楽器に一段と「押し出し感」が出てくる。重厚な弦楽器のハーモニーから、ファゴットの音がスッと抜けてくる。それぞれのメロディーが美しく絡み合い、夕暮れのようなシヅカで美しい雰囲気を醸し出してくれる。下手な生演奏、かなり美味い生演奏よりも、今スピーカーから流れる演奏が素晴らしく満足して聞ける気がする。S/Nが抜群に良い。後で聴き比べるが、ディスクよりも良い音なのではないだろうか。
グランドピアノがフルコンサートの大きさになった。ウッドベースもより生々しく、重厚だが押し付けがましい低音ではない。ボーカルは、いい意味で粘り気が薄くなる。唇の動きだけではなく、下の動きまで見えそうなほど細やかで生々しいボーカル。演奏を聞くだけではなく、良い音を聞いている楽しみも感じられる。
会場が一際静かになって、ギターとボーカルが空間にホログラムのように浮かび上がる。環境は全く変えていないのに、リスニングルームが圧倒的に静かになったように感じられる。とても不思議な雰囲気。美しく静かな時間だけが流れて行く。そういう贅沢な気持ちを味合わせてくれる。
CDをリッピングした音と、DSD128の差がさらに小さくなる。音が本当に良くなると、ハイレゾなどいらなくなる。DSDの良さは、滑らかさと厚みの両立。音はとても細かいが、薄っぺらな音にはならない。とても滑らかな音だが、音の輪郭がぼやけない。高性能マイクを使って録音された演奏は、生演奏よりも細やかで品位が高く感じられることがあるが、今聞こえている音はまさしくそういう音だ。 AIRBOW SA12 OSE Masterで「光ディスク」を挿入して、RCAアナログ出力を聞いてみた。 (CD) 光ディスク「CD」の音は、ネットワークの音に比べると少し「解像度が低く」感じられるが、よく聞いてみると情報量は決して少なくないことがわかる。音の輪郭がとても滑らかで、強調された感じがない。暖かく有機的な音だ。CDの音がアナログでネットワークの音がデジタルのように感じられるから不思議だ。 (CD)
このソフトでは、ネットワークとCDの音の違いはせせらぎほど大きくはない。 (SHM-CD)
ネットワークと比べると少し音が丸く、高音方向の「抜け」が感じられない。 (SACD) ネットワークで聞いた音はCDからリッピングしたPCM WAV 44.1kHz/16bitだが、SACDに収録されるのは、DCDx128だ。 聴き比べてみると実際にその違いがはっきりと感じられる。音の細やかさやデリケートな変化だけではなく、会場の「空気感」が濃密に伝わる。ただし、それはこのSACDが「ダイレクト録音」のソースだからであって、PCM音源からDSD変換されているSACDではこれほどの音の違いはない。 (SACD) このSACDは、アナログマスターから直接DSDに変換されて録音されている。そのため「アナログ音源の良さ」がそのまま生かされている。SACDに記録されているのは「DSDx128」でさらにそれが圧縮されている。ネットワークで聞いたのは圧縮されていないネイティブの「DSDx256」だが、それと比べても音により厚みがあって「アナログらしさ」がより強く感じられる。 生音にはネットワークが近いかも知れないが、生演奏にはSACDの方がより近いように感じられる。どちらも良い音だ。 聞き比べを終えて 2022年11月 逸品館代表 清原 裕介 |
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