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TAD D-1000TX D1000 Esoteric Grandioso K1X 音質 比較 試聴 評価テスト レビュー


このテストレポートは、リニューアルされた新しい逸品館.comでより快適にご覧いただけます。
https://www.ippinkan.com/news/2022/03/02/4513/

 TAD-D1000TX DA1000TX 

D1000 Mark2の試聴記事はこちらD1000の試聴記事はこちら その他の音質テストはこちら

 

  

 

  Grandioso K1X 聞き比べ

  

 

TAD D1000TX メーカー希望小売価格 2,100,000円(シルバー/税別)2,150,000円(ブラック/税別)

TAD DA1000TX メーカー希望小売価格 1,500,000円(シルバー/税別)1,550,000円(ブラック/税別)

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TXへの進化(メーカーHPを転載して編集)

・ 独自に開発したアシンクロナスUSB伝送エンジンを採用したUSB Audio Class 2.0に対応するUSB端子を搭載

伝送状態をD/DA1000側から制御することで、PCなどから受信するデジタル信号を正確に受信します。また、純度の高いクロックで読み出すため、ジッターから解放された極めて純度の高いデジタル信号になります。第三世代となる本USBエンジンは、FPGA内部回路を見直すことで、音質の向上だけでなくDSD256(11.2MHz)信号に対応。動作遅延を大幅に削減し、ローレベルの歪特性を改善しています。搭載するDACチップは、192kHz/24bit動作のPCM1794ですが、ステレオ動作のこのチップは出力電流が大きく、またTADが採用している1794は、内部動作がTADオリジナルに変更された特別なチップです。内部動作までをTAD熟知するこのチップを使うことで、USB入力を初めすべての「デジタルロジック」をTADが組み立てることができるため、少々古いチップでありながら最新のディスクリートDACを搭載する高級機に匹敵、あるいはそれを凌駕するほどの音質が実現しています。

・上位機種「TAD-D600」と同等の「超高C/NマスタークロックUPCG」を搭載

高速デジタル通信基地局で使用される高C/N化技術手法をベースに、物理特性の追求と試聴を繰り返し開発した高純度マスタークロックによって、ディスクに記録された信号や入力信号の再現性を極限まで高めます。さらに、デジタル入出力回路とUSBエンジンそれぞれに専用の新開発高C/Nクロック回路を搭載し、より純度の高いデジタル伝送が可能です。

・UPCG 高音質の原理

DACチップに入力されるクロックは「矩形波」という形状の「アナログ波」で供給されます。

 クロックとして供給される矩形波

DACチップは、供給される「波形の角(電圧が急激に変化する部分)」でクロックのタイミングを認識しますが、発信回路が作り出す「矩形波」にはノイズやオーバーシュートなどが含まれ、歪みが発生します(下左写真)。

 

TADは、この「波形の歪み」に注目しそれを低減する(右写真)することで、より正確でピュアなクロック信号をDACチップに供給することを実現しました。TADが標榜する高いC/N比とは、「矩形波(キャリア)」と「波形の乱れ(ノイズ)」の比率であり、この数値が高ければ高いほど、波形は右側のよりピュアな形状に近づきます。

従来、重要視されてきた「ジッター」は、一定周期の中で「波がどれだけ揺らぐか」という比率です。しかし、上左写真のようにジッターが少なくても波形が歪めば、伝送されるクロックのタイミング(ICに供給される時間軸)が揺らいでしまうことが分かります。クロックではジッターの少なさ(周期Tが一定)と共に発信する矩形波がどれだけ「理想の形に近いか」が重要です。最近は外部からジッターの少ないクロックを入力し音質を改善することが流行ですが、いくらジッターが小さい発信子(ルビジウムなど)を使っていても、発信する矩形波の歪みが大きいと音質は向上しないばかりか悪くなることもあります。

TADが世界で始めてCDプレーヤーに搭載したこの「UPCG」は、現在Esotericも採用しています。さらにEsotericは、ジッターが小さいという理由でクロックジェネレーターに使ってきた「ルビジウムクロック」も止めて、現在は大型水晶を使うTADと同じ形式のものに変えています。このUPCGをTADは、10年前に実現しています。

・電源回路を高純度化
電源トランスの内部巻線を直出しすることで引き出し線との接点を極力削減し、高純度化を追求。また、直出し線のターミナル、基板マウントターミナル、締結ビスに非磁性のメッキとOFC純銅を採用し、磁性歪を徹底的に排除しています。さらに電源トランスの取付台座に6mm厚の真鍮製ベースを採用し、電源トランスの不要な振動を抑えています。これらの技術は、上級モデルD600で培われたものです。価格は上がっていますが、D/DA1000TXの電源部は、RevolutionからReferenceに近づきました。

・外部振動の影響を抑える低重心構造と新開発インシュレーターを採用
外部からの振動の影響を抑える8mm厚の無垢材アルミニウムシャーシと重量のあるパーツを下底部に配置した低重心化により、徹底した制振構造を実現。新開発のインシュレーターは、荷重ポイントの明確化や接地面からの振動影響の低減、アイソレーション性能の向上を実現し、よりクリアな音の再生を可能にします。

・高音質パーツを新採用

DAC以降の「アナログ回路」は、従来よりも部品点数を減らした新回路に刷新されています。さらにTXでは、各チャンネルに数十個使われている「基板実装型抵抗」の基板との接合部分を「磁性体」から「非磁性体」に変更するなど、パーツ個々に至るまで音のの純度(音質)の改善点を徹底的に見直し、更新されたデジタル回路最大の特徴である「音の細やかさ」・「高い透明感(高S/N)」を極限まで引き出すことに成功しています。

・LINE出力用ボリューム機能搭載によるシンプルで高音質なシステム構成が可能

LINE出力に高音質なボリューム機能を搭載。パワーアンプとダイレクトに接続し、プリアンプを介さないシンプルな高音質オーディオシステムを構成することが可能です。多様なメディアに対応し、純度の高い音質を楽しめるデジタルメディアセンターとして使うことができます。また、「TAD-DA1000TX」には、ディスクリートで構成された独立ヘッドフォン出力回路(ヘッドフォンボリューム)、および端子が使われ、DACの付属というレベルを遙かに超える、「ヘッドホン音質」を実現します。

・高精度ローディングと静粛性に優れた独自のCDメカを搭載(「TAD-D1000TX」のみ)

スムーズで精度の高いローディング動作に加え、サーボ系へ与える外部振動の影響を最小限に抑えた独自のCDメカを搭載。アルミ削り出し加工によるディスクトレイ部は、低振動・高剛性を実現し、黒色の素材を採用することでレーザー光の乱反射を防ぎ、読み取り精度を向上させています。この「レンズを一枚追加した効果」は非常に大きく、決して誇張ではなく「CDディスクからSACD相当の音質を引き出す」ことを可能としています。D1000TXでディスクを再生したときの「音の細やかさ」と「S/Nの高さ」は、VRDS ATLUSを搭載するEsoteric/Grandiosoの最高峰レベルを凌駕します。

 

音質チェック

TAD-D1000TXの音質チェックは、逸品館・3号館試聴室に「開発責任者(チーフエンジニア)の沼崎氏」をお招きして、リモート試聴会という形で収録しました。音質をチェックされたい場合は、是非ともご覧下さい。

・D1000TXのご紹介と、従来モデルD1000 Mark2との聞き比べ。

・このチャンネルで普段使っているソフトをD1000TXでじっくり試聴。

・同じソース(音源)」を使った、D1000TXとDA1000TXの聞き比べ。

・TAD D1000TXとEsoteric/Grandioso K1Xの聴き比べ。

試聴後感想

TAD-D1000TXは、カタログに表記できないような「細かなこだわり」に満ちています。

トランスポーター部のレンズ追加のような抜本的な変更は、CDメカニズムを作れる「Pionner」との連携によって実現しましたが、このような高い技術は、世界広しと言えども、TADとEsotericくらいにしかなく、海外メーカーでは到底成し遂げられません。

DACチップこそやや古い「PCM1794」ですが、一般市販品とは違う「TAD専用チップ」であるだけに、このチップからどうすればより良い音が出せるかを知り尽くしたTADが、回路のみならずパーツレベルにまでメスを入れて引き出した「細やかな音」は、遙かに高額なCDプレーヤーですら確実に凌駕します。最後の動画での「せせらぎの音」を聞き比べていたければ、それがどれくらい凄いことか、一聴して理解できます。

それ以外の点においても、D1000 Mark2からの進歩はかなり大きく、単なるマイナーチェンジではなくフルモデルチェンジ以上の価値を感じます。価格も高くなりましたが、期待を決して裏切らない素晴らしいCDプレーヤーだと断言できますし、DA1000TXの価格は、驚くほどのバーゲン価格だと感じます。究極に近い最高級のDACが140万円(税別)というのは、ビックリです!

2022年3月 逸品館代表 清原 裕介

 

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