○音質(i-pod)
最初は、「i-pod」を接続して音質をテストしました。接続方法は上に書いてあるとおりです。REVEAL
5Aのボリュームは12時〜3時くらいの位置に固定して、音量は「i-pod」のボリュームで調整すると便利です。
J-POPを中心に十曲以上を聞きましたが、素晴らしい音質でした。
低音のパンチ力が抜群です!
重量のあるアンプを内蔵しているために、キャビネットの剛性と重量が大きくなっているのが、効いているのでしょう。机の上や、椅子の上などに簡単に置いただけでも、十分なパンチでハッキリしたベースの音階が再生されます。少なくとも、CD+AMP+SPのセットで10〜20万円程度の製品には十分匹敵する音を楽しむことが出来ます。パワードスピーカーらしく、パッシブを大きく低音の量感も実現します。
中域が滑らか!
TANNOYらしい、厚みのある滑らかな中域が再現されます。i-podを接続しているにもかかわらず中域が薄くならず、ギューッと中身のつまった滑らかな中音が再生されます。中音が薄っぺらにならないので、音楽のエネルギーがきちんと再現されます。ボーカルの再現力は、かなりのものです。思わず頬がゆるむような楽しい音です。
高域の切れ味が抜群!
i-podの音質で問題となるのが、音源を圧縮した弊害による高域の切れ味不足や高域のぎらつき・ざらつきです。REVERAL
5Aに採用されているツィーターは、その価格が信じられないほど品位が高く、透明感のある高音を再生します。とてもi-podを繋いでいるとは考えられないほど透明で伸びやかな高域が出て、音場の立体感、会場の空気感までもが感じとれます。指向性が緩やかなのでスピーカーをいい加減に設置しても、音がスピーカーの周囲にまとわりつかず、空間にストレスなく広がり、部屋中に音が満ちて行くような爽快感が得られました。
○音質(ノートPC・TOSHIBA
dynabook 1610 90C/2・Windows XP)
こんなにいい加減な設置状況で音質テストを行っています。
それでも十分納得のゆく、すばらしい音質でした。
まず最初に「i-tune」をダウンロードした時にサンプルで入っている「ベートーベン シンフォニー No.9」を聞いてみました。
音が出た瞬間絶句・・・。
圧縮音声のはずなのに、ホールの空気感が再現されたからです。重なり合う弦楽器の細やかな倍音も、ステージから届く直接音も間接音も見事に描き分けられます。音源がPCの圧縮音声とはとても思えない素晴らしさです。低音の量感、空気感も十分。圧縮音声では、決してシンフォニーは楽しめないと決めつけていた、私の認識が覆りそうなほどです。下手なコンポよりも遥かに納得できる良い音が出て心の底から驚きました。
太陽のポスティーノ 小林靖宏 TOCT6548
i-Tune7 (Ver
7.6.2.9)
CDをパソコンでリッピングし、WAVファイル(非圧縮)にコンバートしてUSBメモリーに記録した楽曲を再生しました(ファイルサイズ35.0MB)。
同じUSB上の音源をSA8003のテストで音源として使った時には、かなり音が悪くなってがっかりしたのを今もハッキリ覚えています。(SA8003のテストはこちら)それを「PCで再生して良いはずはないだろう。どれくらい悪くなっているのだろうか?」そういう良くない期待を抱きながらマウスをクリックしました。
この曲も音が出た瞬間絶句・・・。
かなり本格的なコンポで「生CD」を聞くのとほとんど変わらない「良い音」で聞けたからです。
ギターのアタック、アコーディオンの切れ味の良さ、コバの持つ日本人離れした圧倒的なリズム感が楽々と再現されます。こんなセットから、こんな音が出せるのをオーディオのイベントで皆さんに聞いて頂いたら・・・、同じように皆が絶句すると思います。PCからこんなにいい音が出るなんて信じられません!
BEST
FICTION 安室奈美恵 AVCD-23650/B
Windows
Media Player 9Series (Ver 9.00.00.3354)
次に安室奈美恵のCDをWindows
Media Player 9の通常音質設定でwmaファイルに圧縮し、USBメモリーに記録された楽曲を聞いてみました(ファイルサイズ4.85MB)。
この曲はSA8003のテストでも結構いい音で鳴って、私を驚かせました。それがこのセットでどのように鳴るか?すでに、小林靖宏のすごい音を聞いているだけに、私の胸は期待でいっぱいでした。
音が出た瞬間、やはり息をのんでしまいました。
圧縮音声にもかかわらず、相当レベルの高いコンポでCDを聞いているのとほとんど変わらない音が出たからです。濁りはないし、ハッキリしているし、ざらついた感じやデジタル臭い感じもまったくなく、いったいなぜこれほどまでにいい音がこんな簡単なセットから出るのか?本当に信じられません。
低音はパンチがあって量感も兼ね備わり、体を押すと共に包み込むようにも広がります。とても心地よく、良質な低音です。
中音は滑らかで厚みがあり、安室のボーカルを女性らしいセクシーさで味わえます!
伴奏のリズム感も抜群。音量を上げても音像がぼやけずに、リニアにパワー感が増加します(さすが大音量に対応するように作られているパワードモニター!)。
いったい!このセットは何なのでしょう?逸品館お薦めのAURA
NOTEやENIGMAに、そこそこのスピーカーを繋いで聞くより、間違いなくこちらの方が音が良いと断言できるほどです。本当にいい音です!
i-Tune7 (Ver
7.6.2.9) と Windows Media Player 9Series (Ver
9.00.00.3354) の音質比較
太陽のポスティーノ 小林靖宏 TOCT6548
先ほど使ったWAVファイル(ファイルサイズ35.0MB)を同じパソコンでソフトを変えて聞いてみました。比較したのは、i-Tune7とWindows
Media Player9です。
音質はi-Tune7の勝ち!
i-Tune7の方がレンジが上下に伸びて低中高域の分解能もWindows
Media Player9を明らかに上回りました。
i-Tune7と比べるとWindows
Media Player9は、やや霞が掛かったように聞こえます。スピーカーの前にカーテンを設置して音を遮ったようなイメージです。しかし、それでも絶対的な音としては全然悪くなく、充分に楽しめるレベルでした。
BEST
FICTION 安室奈美恵 AVCD-23650/B
次に安室奈美恵のCDをWindows
Media Player 9の通常音質設定でwmaファイルに圧縮し、USBメモリーに記録された楽曲を聞いてみました(ファイルサイズ4.85MB)。
i-Tune7は、wmaファイルの再生がサポートされておらず、ファイルを選んでクリックすると、自動的にファイルがi-Tune用のAACに変換されます。ファイルサイズは返還前と同じ4.9MBです。
変換はスピーディーに行われ、一分と待たずして自動的に再生が始まりますが、これは余り良くありません。明らかに「圧縮されて悪くなっている」と感じられる音でした。
全体にベールが掛かったように音が曇り、分解しなくなって音が団子になります。周波数レンジも上下に伸びず、丸まった音になってしまいました。ファイルサイズに変化はなく、データー上音質は変わらないのかも知れませんが、音質は明らかに劣化します。CDをwmaファイルに圧縮したときよりも、劣化の度合いはかなり大きく、この音では音楽を聞きたいと思いません。
私が今まで嫌だ!と感じたPCやi-podを音源としたときの悪い癖を感じる嫌な音でした。他のページや画像のテストで私は「D−D変換(デジタルからデジタルに直接変換する)」を信頼してはならないと注意していますが、このテストで使用したwmaからAACへの変換も、ロスが生じないと言われる「D−D変換」です。しかし、やはりアナログと比べて遥かに大きく信号が劣化しました。
メーカーはHDMIによる「フルデジタル伝送」は「信号の劣化がない」と説明していますが、それは「真っ赤な嘘」です。ディスクに記録されたデジタル信号を復調し、それを異なるデジタル信号規格のHDMIに「D−D変換」する時にも信号は劣化するはずです。そして、恐ろしいことに「D−D変換」の方が信号の劣化が激しいのです。音声や映像をアナログ接続で使うことを逸品館がお薦めしているのは、このような理由があるのです。デジタルを過信しないようにご注意下さい。
○音質
AIRBOW CD5001/KAI (ヘッドホン出力)
こんなにいい加減な設置状況で音質テストを行っています。
それでも十分納得のゆく、すばらしい音質でした。
BEST
FICTION 安室奈美恵 AVCD-23650/B
音が出た瞬間は、PCと繋いでいたときの音の方が聞きやすいかな?と感じました。プレーヤーを切り替えた瞬間は、CDプレーヤーの方が高域がやや堅く、低域も固まって広がりが少なく感じられたからです。
しかし、一分も聞いていると耳が慣れてきて、音の裏側にある音、それまで聞こえなかった「音としては聞こえなかったような小さな音?」がハッキリと感じられるようになってきました。
PCの音は「楽しい」音でした。今聞いている音は「スタジオのプレイバックモニター」で聞いているような真面目で精緻な音です。細やかな変化までしっかりと聞き取れますが、音楽的にはやや緊張を感じさせます。
普段着とフォーマルウェアー。そういう違いが感じられます。この音を聞かされるとオーディオファンは、やはり先ほどの音には戻れないでしょう。
CDプレーヤーの音は、PC(圧縮/wma)よりも明らかに解像度が高く、音の重なりがすべて見えるように透明感が高いからです。音の向こう側の空気までを感じさせる様な音。
これはすごい!こんな価格のパワード・スピーカーでここまで精緻な音が出るなんて、いったい誰が想像できるでしょう?
太陽のポスティーノ 小林靖宏 TOCT6548
安室奈美恵のソフトと同じように、PCに比べてハッキリと細やかで精緻な音が出ました。
各楽器の「スコア」が完全に読み取れるような音の出方です。本格的な音楽、芸術としての精度の高さではPCから出た音とは比べものにならないほど、質と品位が高いのが感じ取れます。
しかし・・・、どちらの音が楽しいか?聞きやすいか?と問われたなら、私はPCの音と答えるでしょう。
CDからファイルに変換して、それをPCで鳴らす音の方が「暖かさ」が感じられたからです。PCを介することで、演奏に肉が付きます。例えそれが、細やかな音が圧縮によって失われた結果だとしても、その劣化は「耳に優しく」感じられます。CDで聞く音は、PCをアナログだとするとデジタルのようなイメージで明瞭ですが、やや潤いに欠ける感覚があります。
しかし、この変化は純粋に「フォーマット変換」によって生じているのではないと思います。たぶん、CDプレーヤーとPCに搭載されている「音声増幅回路」の「出力デバイス」による差の方が大きいと思うのです。
CD5001/KAIのヘッドホン出力は、明らかにPCのそれよりも高コストで本格的なものです。細かく確認しないと断言は出来ませんが、PCとCDプレーヤーの音の差は「フォーマット変換」という単純なもので決まるのではなく、ヘッドホン出力回路を含めた総合的な差だと感じます。「プレーヤーの性能の差」と言うことになるでしょうか?
○音質
AIRBOW CD5001/KAI (RCA出力)
これまでは、REVEAL
5Aのボリュームを使うことによる繁雑な操作(左右のボリュームを個別に調整しなければならないのが面倒)を避けて、ヘッドホン出力にREVEAL
5Aを繋いでいました。テストの締めくくりに、理論上(実際にも)音質が最も優れている「CD5001/KAIのRCA出力」を聞いてみることにしました。
BEST
FICTION 安室奈美恵 AVCD-23650/B
ヘッドホン出力と比べて、中低音の厚みが増して音質のバランスが改善します。
解像度や明瞭度に大きな変化は感じられませんが、エネルギー感や音の広がりが改善され、音楽としてより楽しく聞けるようになりました。
PCの音は楽しくそれはそれで良かったのですが、CD5001/KAI
RCA出力で聞く安室奈美恵はずっと成長した大人の女に感じられ、より本格的な音楽として聞き応えがあります。
だたし、体を包み込むような広がり感はPCの方が心地よかった(ソフトに搭載されているエフェクトはすべてOFFの状態なので誤解されないように)ようです。
CDでは音が精緻な分、音場の広がりがやや平面的に感じられます。
どちらが楽しいか?それは好みによって変わるかも知れませんが、音質・音楽としてはRCA出力で聞く音が最も上質なことに間違いはありませんでした。
太陽のポスティーノ 小林靖宏 TOCT6548
PCと比べて音の中身がギュッとつまっています。
PCの音はやや軽く弾むような感じが強かったのですが、CD5001/KAI
RCA出力の音はぎっしりと中身がつまっていて、低音もより深く低く伸びています。しかし、それが時としてやや「重く」感じられることがあるようにも感じます。
CD5001/KAI
RCA出力との組合せでは、REVEAL 5Aはまごうことなきモニター・スピーカーの音を出します。
精緻で濁りがなく、遙かに高額なPMCのパワード・モニター。スピーカーとの類似性さえ感じさせるほどの、癖のない精密な音。一般的には評価されるこのサウンドですが、私には仕事で音楽を聞いているような「窮屈感」を感じ、それがちょっぴりマイナスです。
しかし、REVEAL
5AをPCに繋いだときの音の出方は素晴らしくパワフルで鮮やかでした!
このスピーカーをTVに繋いだら・・・!
リビングはあっという間に映画館になるでしょう。
そのための投資が「たった5万円」というのは安すぎます!