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Esoteric(エソテリック) n-03t Grandioso K-1 CD/ネットワーク 音質 比較 試聴 レビュー 評価
Esoteric(エソテリック) N-O3T Grandioso(グランディオソ) K-1 AIRBOW MNP-i5 Roon CD/SACDプレーヤー、ネットワークプレーヤー 音質比較テスト 2018年2月15日より、Esotericから「ネットワーク・トランスポーター」 N-03Tが発売されました。 このモデルは、いわゆる「DMR(Digital Media Renderer)」をオーディオ用に特化したモデルで、PCライクな操作なしにネットワーク上にある「音楽データー」をUSBデジタル出力することが可能です。リモコンは付属せず、操作は同じネットワーク上のEsotericが配布する専用アプリをダウンロードした「タブレット(現時点ではi-OSのみ対応)」から行います。 N-03Tは、USB入力にも対応し、USB接続可能なメモリーやHDDを接続するだけで、メモリーに記録された音楽ファイルは「素早くライブラリー化」され、タブレットから必要な音源を検索して呼び出したり、プレイリストを作成することが可能です。作成されたプレイリストやライブラリーは、N-03Tが搭載するメモリーに記録(プレイリストは、最大1000曲程度)されるので、操作するタブレット端末を変えても「引っ越し作業」が不要です。 もし、オーディオルームにインターネット環境がない場合、あらかじめインターネットから専用アプリをダウンロードしたタブレットと、無線ルーターだけをご用意下さい。N-03Tを有線でルーターに接続し、タブレットは無線(WiFi)でルーターに接続するだけでN-03Tが使えるようになります。インターネット環境が必要な「ストリーミングサービス(TIDAL、qobuz、roon,Spotify」などのサービスは使えませんが、HDD、USBメモリーをストレージとする「ネットワークプレーヤー」としての機能は、フルに利用できます。 つまり、Esoteric N-03Tは「面倒なNASの設定」、「ネットワーク接続による音源転送」などを行わずに、購入後ほんの僅かな時間で「USB-DAC(USB入力付きCDプレーヤー)」から音を出すことができるのです。「PC嫌い」のオーディオフィルにも、使える「初めての高音質ネットワーク・トランスポーター」がN-03Tなのです。 Esoteric(エソテリック) N-03Xs メーカー希望小売 780,000円(税別) (メーカーホームページ)
今回は、このN-03T音質を検証するため、Esotericの最高級一体型CD/SACDプレーヤー「Grandioso K-1」と高音質ネットワーク・オーディオ専用PC「AIRBOW MNP-i5 Roon」を用意し、K-1で再生するCD/SACDとN-03T/MNP-i5 Roonで再生する「CDからリッピングしたWAVファイル、ダウンロードしたDSD 5.6MHz音源」を比較しました。 Esoteric(エソテリック) Grandioso K-1 メーカー希望小売 2,300,000円(税別) (メーカーホームページ)
AIRBOW MNP-i5 Roon 販売価格 460,000円(税別) (メーカーホームページ)(詳細な説明動画はこちら)
試聴環境 聞き比べには、K-03Xs、K-01Xs、K-01X、K-1比較試聴で使ったそのままのシステム、プリメインアンプ「AIRBOW PM14S1 Master」、スピーカーには、Vienna Acoustics Liszt」を使いました。Esoteric製品の音質設定は「デフォルト(工場出荷時設定)」で行っています。さらに、K-1に「Mutec MC3+ USB」を接続した時の音質改善がどれくらいあるかもチェックしました。 AIRBOW SA14S1 Master 特別販売価格 309,000円(税込) Vienna Acoustics Liszt メーカー希望小売価格 2,000,000円(ペア・税別) 試聴ソフト
動画による音質比較(準備中)
CDを試聴 一つ一つの音がしっかりして空気感が濃く、とてもリアルな雰囲気が醸し出される。 Esoteric CD/SACDプレーヤーには、音像がスピーカーより前に定位する、前後方向よりも横方向への音の広がりが大きい、おtの輪郭が強く明瞭度が高い、など共通する特徴があるが、Grandioso K-1は国際標準?的な音に仕上がっていて、音の癖(Esoteric的な色づけ)がとても小さい。 水面ではじける水泡の滑らかでみずみずしい感じ、撮りが楽しくさえずる様子などが、実にリアルに再現される。 ←(USB)(サーバー/NASとしてMNP-i5 Roonを使用) 水音の潤い、有機的で自然なイメージ、立体感など、ディスクよりも情報が多く、さらに自然に聞こえる。 (上のシステムにMutec mc3+USBを使って、88.2KHzのクロックを入力) 音場の広がりが一段と大きくなり、空間の透明度も上がる。 ←(USB)(N-03TをAIRBOW MNP-i5 Roonに変更) 水量、鳥の声の鮮やかさ、音の広がりの大きさでAIRBOW MNP-i5 Roonは、Esoteric N-03Tを凌駕することが聞き取れる。特に「音がない部分のノイズ感」、空間の暗騒音の小ささに違いに差を感じるが、その差はI/O fidataとMNP-i5 Roonを比べたときよりもずっと小さい。 今回試聴しているAIRBOW MNP-i5 Roonには専用電源「IDC-RMP18」を追加しているから、AIRBOW ミュージックPCとしては、ほぼ最高の音質が出ているはずだし、MNP-i5 Roonのハードウェアとソフトウェアは、Esoteric N-03Tを圧倒し、機能では比べものにならないくらい優れている。しかし、音質の違いはそれらの差ほどは大きくない。
ここから先の音質チェックは、K-1にMutec mc3+USBを接続し、88.2KHzのクロックを入力したままで行いました。
CDを試聴 K-03Xs、K-01X、K-01Xs、K-1の聞き比べでは、CDからリッピングしたーデーターをコピーしたCD-Rでこの曲を試聴したが、今回の比較をより正確に行うため、CD/SACDハイブリッドディスクのCD層を聞いたが、Mutec
MC3+
USBの追加も奏功しているのか、音はびっくりするくらい良い。 オーディオではなかなか再現しきれない、バイオリンらしい「硬さ」が見事に再現されることに驚かされた。 SACDを試聴 CDで驚かされた「バイオリンの硬さ」に、さらに「わずかな甘さ」が加わってくる。 回転の制御時に重いターンテーブルを大型モーターで急速に加速、減速させるため、その電流変動がデジタル回路に影響を与え、VRDSを搭載すると「音が粉っぽい」、「音が硬い」など、これまで「VRDS」の悪口を散々書いて来たが、この安定感。この安心感はどこから来るのだろう?「VRDS」は、ここまで(K-1ほど)の物量を投入すれば、ここまでの音が出る。 ←(USB)(サーバー/NASとしてMNP-i5 Roonを使用) 心なしか音が大きくなったように感じる。 ←(USB)(44.1を352.8KHz、16を32bitにアップ) N-03TのUSB出力は、再生する音源ファイルのフォーマットに依存する。つまり、CDからリッピングしたWAVファイルは、そのまま44.1KHz/16bitで出力され、アップコンバートはできない。しかし、HQ Playerを搭載するAIRBOW MNP-i5 Roonならサンプリング周波数は最大「1536KHz(32倍)」、量子化ビット数は「32bit(2倍)」までのアップコンバートすることができるし、PCMデーターをリアルタイムにDSD(最大 DSD1024)までのDSDコンバートすることも可能だ(CPUが遅いとDSD256以上で音切れが発生することがある)。 そこで、今回はCDからリッピングした44.1KHz/16bitのWAVファイルを、K-1の最大USB入力の「352.8KHz/32bit」にリアルタイム・アップコンバートして音質を比較してみた。 するとどうだろう、先ほどどは全く別物のように音が良くなってくるではないか。N-03Tでは見えなかった「弓」の動き、奏者の体の角度、緊張感がビンビンと伝わる。ディスクの持ち味だった「艶」は薄くなるが、その代わりに「圧倒的な細やかさ」が出てきた。 ディスクの音を真空管アンプに例えるなら、これは最高のデジタルサウンド。一切の曖昧さや、揺らぎ、癖がない。
CDを試聴 パイプオルガンの聞こえ方が、今までのプレーヤーと全然違っている。 トランペットは、柔らかく、深みがあり、コーラスは、S/Nに優れ、左右のセパレーションも驚くほど高い。 SACDを試聴 パイプオルガンの音の先端が、わずかに丸くなったように感じられるが、低音はさらに低く伸びている。 サーバー/NASとしてMNP-i5 Roonを使用し、DSD5.6MHz(DSD128)のデーターを試聴 ←(USB) 低音は驚くほど厚みを増し、オルガンの音数が増える。 ←(USB) DSD 5.6MHzをそのまま試聴 N-03Tと比べると高音が晴れやかで、オルガンの「プレゼンス」が良い。勢いもある。
CDを試聴 艶やかで明るく、キュートなサウンド。 SACDを試聴 SACDの方が音が明るく感じられる。また、普段聞いているこの曲の雰囲気にも近い。 ←(USB)(サーバー/NASとしてMNP-i5 Roonを使用) 音が出た瞬間に、胸のつかえがすっと取れた。SACDと比べると、音の粒子は少し大きく、細部のディティールもぼやけているが、CD/SACDを聞いていた時の「違和感」は完全に消え、普段聞いている音にとても近くなった。 N-03Tで再現された「良い雰囲気」はそのままに、足りなかった「音の細やかさ」がきちんと出てくる。 試聴後感想 今回の聞き比べは、K-1で聞く「CD/SACDディスク」と、N-03T、AIRBOW MNP-I5 Roonによる「データー音源」の比較だけにしておけばわかりやすかったはずなのですが、そこに「Mutec MC3 + USB」を追加したため、レポートがややこしくなってしまいました。 また、KCD/SACDプレーヤーの比較では「素晴らしく音が良い」と思っていた「Grandioso K-1」に「重さ」や「暗さ」という、音楽を楽しむときに大きなマイナスになる問題を感じるようになりました。 確認のため、その後も「Grandioso K-1」で様々な音楽を聞き続けたのですが、数時間で我慢が限界に達し「イライラ」して電源を切りたくなってしまいました。 そこでもしかすると!? と考えて、クロックジェネレーター「Mutec MC3 + USB」を外し、K-1を内部クロックで動作させて聞いてみると!! 問題は一発で解消し、素晴らしく良い音のまま、明るく雰囲気の良い音になったのです。 今まで「Mutec MC3 + USB」を追加して、問題が生じたことはありませんでした。もちろん、他のEsoteric 製品との相性も抜群でした。けれど、なぜかK-1とは相性が良くなかったようです。 この試聴レポートを書いた数日後に、私がパーソナリティーを務める「Music Bird The Audio channel 逸品館 清原裕介の音楽を10倍楽しむ方法」で、Grandioso K-1にクロックを繋がず、CD/SACDディスクとEsoteric N-03T(音源はUSBメモリーを使用)をUSB接続した時の音質を比べましたが、結果はいかなる場合でも「N-03T USB接続」の圧勝でした。こうなると「VRDSメカ」は必要なくなるのですが、GrandiosoにはモノラルDACしかラインナップされていないので、システムが大きくなってしまいます。また、N-03Tは「Grandioso顔」ではないので、デザインの統一感も崩れてしまいます。もし可能であれば「Grandioso顔」のN-03Tとステレオ USB-DACを発売していただければ、Grandioso F1と組み合わせられる「ハイエンド・パーソナルコンポーネント(セパレートアンプではない最高級の音質システム)」が完成するのですが! なにとぞEsotericさん、よろしくお願いします。ユーザー様は、「究極の上がりのシステム」として、それを待っていらしゃることでしょう。 このレポートの最初に書いたことの復唱になりますが、オーディオルームにインターネット環境がない場合でも、あらかじめインターネットから専用アプリをダウンロードしたタブレットと無線ルーターだけを用意すれば、USBメモリーに収録した楽曲をタブレットから操作して便利に聞ける「N-03T」は、音質と簡便さが備わった「ネットワーク・ビギナー・オーディオフィル」のための、最も簡単な国産ネットワーク・オーディオ機器だと思います。 それに対し、標準搭載する「HQ Player アップコンバート機能」でN-03Tを超える高音質と、Roon永年ライセンス搭載で圧倒的な多機能を実現する「AIRBOW MNP-i5 Roon」は、複雑な設定こそ不要ですが最低限の「デジタル・ネットワーク」の知識は必要とされるので、もう少しエキスパート向きのシステムと言えるでしょう。 今回のレポートでは、その「使い方と光ディスク、クロックジェネレーターの追加による音質比較」を行いました。2回目のレポートでは、「接続するメディアによる音質比較」を行いました。3回目のレポートでは「デジタル接続の方式(USB vs 同軸デジタル)と組み合わせるDAC/CDプレーヤー(K1 vs D600)による音質比較」を行っています。 2018年4月 逸品館代表 清原裕介
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