大きなスクリーンを設置するためには、意外に条件が複雑です。
間違いのないスクリーンサイズを決めるには、まず「部屋の大きさ」をきちんと採寸します。
次に「プロジェクターの投影距離と画像サイズ」をカタログで確認します。
最後にプロジェクターのサイズ(投影距離はレンズからスクリーン膜面までの距離)とスクリーンを取り付けたときの膜面の位置を考えます。
これらを簡単に考えるには、日本家屋の「畳」に着目します。部屋が6畳もしくは、8畳/正方形の場合なら、部屋の横幅は100型のスクリーンに対して十分な長さがあります。しかし縦方向を考えた場合、広角レンズを採用しているプロジェクターでなければスクリーンいっぱいに画像が投影できませんので注意が必要です。
上記のサイズの部屋の縦方向の大きさは、340cmです。スクリーン背後にセンタースピーカーを設置するスペースを約25cm取ると、残りは315cmになります。さらにプロジェクターのスペース(レンズと壁の距離)として40cmを引いた残りの275cmがプロジェクターのレンズからスクリーンまでの距離となります。つまり、スクリーンいっぱいに画面を広げるためには、275mmの距離で100型を投影可能な短焦点のプロジェクターを探さねばなりません。しかし、このような商品は意外に少ないのです。
結果としてプロジェクターの選択を優先すると、8畳/正方形の部屋に設置可能な最大サイズのスクリーンは「90型」が限度で、使用できるプロジェクターも100型スクリーンまでの投影距離が3.1m以下というかなり厳しい条件が付くということになります。部屋が6畳の場合にも条件は同じです。
次に8畳/長方形の部屋を考えましょう。部屋のタイプが長方形になると奥行きには余裕ができますが、横幅に問題が生じます。部屋の幅が272cmだとすると、100型のスクリーンではケース幅が大きすぎて部屋に入らないことがあります。ケース幅の比較的小さなスクリーンを選べば100型が取り付けられますが、スクリーンの画面幅が221cmこれに左右の黒幕部分10cmを加えた231cmを部屋の横幅から引くと左右には約20cmの僅かなスペースしか残りません。このスペースにスピーカーを設置しようとすると、スピーカーの影がスクリーンに映り込まないようにしないためには、スピーカーの横幅が15cm以下程度の非常に細長いスピーカーしか設置できず、音質の良いスピーカーを設置するためには、サウンド透過型スクリーンを使うしかなくなります。しかし、プロジェクターの投影距離は3.6m以下で100型になればよく、ほとんどのモデルが適合します。
10畳になると、100型のスクリーンは余裕で取り付けられますが、110型、120型になるとスクリーンの上下長が大きくなりますから、センタースピーカーを使ってできるだけ良好な音場を得たい場合には、サウンド透過型スクリーンを選ぶ方が良くなります。プロジェクターも投影距離が短いモデル(100型で3.3〜3.0m以下)を選ばなければなりません。
このように条件さえきちんと把握できれば、スクリーンとプロジェクターの選択はそれほど難しくはないと思いますが、悩ましいとき、迷ったときには一つ小さめのスクリーンにするか、弊社スタッフにご相談下さいませ。
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