ユニゾンリサーチ UNISON RESEARCH ユニコ セカンド SECONDO 2 SECOND 音質 比較 テスト リポート

ユニゾンリサーチ / UNISON RESEARCH
ユニコ セカンド / UNICO SECONDO (2) 音質テストリポート

真空管の音にこだわる、イタリアの“ユニゾンリサーチ / UNISON RESEARCH”より、先行発売されている電圧増幅に双3極管12AU7を使ったハイブリッド方式のプリメインアンプ UNICO P の上級モデルが発売されました。

UNICO SECONDO (UNICO2)

標準価格 ¥350,000(フォノイコライザー搭載モデル・税別)

標準価格 ¥320,000(フォノイコライザーなしモデル・税別)

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音の純度を損なわず、音楽のアーキテクチュアを変形しない。極力シンプルな回路と最良かつ最少のパーツ。そしてなにより多くの時 間を、さまざまな分野の音楽を異なるスピーカーとの組合せで行う試聴に費やすこと。また、音楽へのインターフェースとして、人が 触れる機器のあるべき質感の追求。それがユニゾンリサーチの基本理念です。

Unico II(SECONDO) は、Unico、Unico P ハイブリッドアンプ(真空管のプリアンプとMOS-FETS 出力のパワーステージ)の上位機 種として開発されました。Unico II は、ライン入力のみでなくアナログファンにも満足いただけるようフォノレコード再生の為の高性 能なMM/MC 対応の充実したフォノイコライザーをディスクリートで内蔵しています。また1 系統のXLR バランス入力、テープ入出 力及びアクティブサブウーファーとの接続用ライン端子が装備されています。Unico II は、新しいパワーサプライ、2 倍のピーク電流 を見越して400VA 用に設計されたトロイダルトランスフォーマにさらに二次巻線を追加し、電力損失の減少と信頼性を増大させてい ます。 Unico II は 、オペアンプ用の15V から、真空管プリアンプステージに必要な165V までの電圧を調整する7 系統の安定化電圧を持 ちます。 MOS-FETS 出力ステージのパワーサプライ回路の設計には、特別な注意が払われています。大きな値や、非常に衝撃的な 電流を必要とするとすぐにこの増幅チェーンは最高のパフォーマンスを得るため、高度なソリューションを選択しています。 高耐圧、 高品質のキャパシタバンクは、急激な大電流の扱いによるパスを極少にするため、できるだけパワーMOS-FETS に接近して設置、全 PCB 面積の約25% という広いスペースが出力ステージのパワーサプライパスのために割り当てられています。また、グランドパスに 関しては、特に注意を払って設計しました。

オーディオ信号は入力から出力に至るまで、信号経路は高耐圧、広帯域、完全絶縁の最高品質のコンポーネントが使用されています。 それは、 金メッキ製のピンセレクタ、バランス入力用のNeutrk XLR コネクタ、電動ALPS ポテンショメーター、選別されたキャパシ タ及び誤差の少ない抵抗、最高水準のセラミック真空管ソケットなどです。入力ステージの後には、バランス/ アンバランス変換ステー ジに続き、優れたCMRR、広帯域と低雑音を特長とする高精密な統合アンプで構成されます。特徴ある真空管プリステージでは現在 他のUnico シリーズの全てに使用されているECC82 の代わりにECC83 真空管が採用されました。 この変更は、多くのリスニング テストの結果、決定されました。 プリアンプステージの様々な設定が実行、比較され、最終的に最高の音質が得られるものが選択され ました。

MOS-FETS パワーステージにおいては、出力デバイスの数はUnico の2 倍になり、最大電力は80V から100V になります。最も重 要なことはUnico の電流の2 倍もの電流を供給することができる、というところにあります。これは、Unico II がアンプとして非常に 重要な要素である「低インピーダンス負荷に強い」ということを意味します。 巧妙なデザインの押出型カスタムヒートシンクにより、MOS-FETS は安全に放熱され、スペース、熱消費の有効性を最適化しています。 さらに、MOS-FETS からヒートシンクは高い電気絶縁と同時に最適伝熱を確かにするため、グラスミニファイバー及びシリコンゲル 製最高品質のパッドを使用しています。 リモコンインターフェース、ボリューム調整、真空管の熱管理などに加え、出力電圧オフセットのコントロール、パワーステージの過 電流保護、アンプセイフティブロックシステム(出力ステージパワーサプライサーキットでヒューズが故障したときや、MOS-FETS ワット損失が高すぎる場合、また主電源が落ちたときなどに備え、動作する) などが重要な役割を担っています。またUnico II ではすべての温度管理がマイ クロプロセッサでコントロールされています。 出力電圧オフセットの修正に関 し、Unico II では出力信号のDC コンポーネントの実効性のある制御を確実に する、特別なトポロジーを持つ回路から構成されます。これは音楽的要素を持 つソリッドステートの出力と真空管のプリアンプセクションの音感とのコンビ ネーションを持つアンプから最高の音を得ることにとって重要です。

Unico II のプロジェクトでは、最高の信頼性、安全性、快適な操作のため、開 発に長い時間を費やし、すべてのシステムが慎重に設計されました。 Unison Research の十年間の経験及び弊社スタッフのパッションから生み出 されたUnico II が最も洗練されたリスナーにも満足していただけるものと確信 しております。 (エレクトリホームページより)


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UNICO Pとの違いは、新たにバランス(XLR)入力が1系統装備されたことと、写真ではわかりにくいのですが、サイド部と天板部がアルミとなり、ボディーの質感も大きく向上しています。電源スイッチは、UNICO Pと同じく正面向かって右横のパネルについています。
現時点では、逸品館のみの取り扱いとなっているバランス出力の装備されている上級CDプレーヤーUNICO CDと組み合わせるとバランス接続が可能なハイグレードなセットとなります。

UNICO 2には、フォノイコライザーが内蔵され、レコードプレーヤーがお使いいただけます。
通常は[MM対応]となりますが、お申し付け頂ければ[MC対応]も可能です。
[MC]カートリッジをご利用のお客様は、ご注文時に[MC]をご指定くださいませ。
※ご購入後の[MM/MC]の切り替えには内部回路の接続の変更が必要となりますので、一旦逸品館までお送りいただくことになります。

UNICO P と UNICO 2 (SECONDO) の主な仕様の比較

モデル

UNICO P

UNICO 2

構成

Improved Dynamic Class A・チューブ& ソリッドステート・インテグレーテッドアンプ

入力インピーダンス

入力インピーダンス:50k Ω /47pF 

入力端子

AUX or Phono,CD,AV,Tuner (LINE入力4系統)

フォノ入力

MC:50-60dB 100 Ω /440pF

MM:40-50dB 47k Ω /220pF

MC:50-60dB 100 Ω /440pF

MM:40-50dB 47k Ω /220pF

録音再生端子

in/out 各1 系統

サブウーファー出力端子

なし

R/L 1系統

最大出力

50W+50W (8Ω)

100W+100W (8Ω)

出力インピーダンス

2-8 Ω

ダンピングファクター

>60 

>50 

周波数特性

20-100kHz (-0.5dB)

10-100kHz (-0.5dB)

ドライブ段

ECC82 (12AU7-5814A) x 1 

ECC83 (12AX7) x 2 

出力段

Improved Dynamic Class A Symmetrical Stage

 (Pair MOS-FET/ch)

Improved Dynamic Class A
Symmetrical Stage

 (2Pair MOS-FET/ch)

消費電力

250W(再大出力時)

400W(再大出力時)

外形寸法(W ×H × D)

435 × 95 × 340mm(突起部を含む)

435 × 130 × 430mm(突起部を含む)

重量

12.0kg

15.0kg

リモコン

付属

付属

 価格

170,000 円(税別)

350,000 円(税別)

音質テスト結果

帯域別の印象

高域、UNICO Pよりも繊細でカチッとしている。分離感にも優れる。

中域、UNICO Pよりも濁りが少なく、明瞭感が高い。

低域、UNICO Pよりもローエンドまでしっかり伸びて濁りが少ない。

 全体の印象

音を出した瞬間に、D(ダイナミックレンジ、音の大小の差)/F(周波数レンジ/音の高低の差)レンジともUNICO Pよりも大きく拡大していることが感じられる。

高域の見通しは素晴らしく良い。ほんの少し子音が強調されて感じられることがあるが、今後のエージングによって改善する可能性が大きい(テストした個体は、新品から20時間程度しか鳴らしていません)。

中域は、高域が伸びて透明度が高くなったことで厚みと感じられる部分がUNICO Pよりも減じているが、電源や回路のアップグレードに伴って歪み感が大幅に改善された結果、音場の見通しがぐんと良くなり、音の広がりが大きくなっている。

低域は、スペックの通りUNICO Pと比べ文句なしにローエンドまで伸びており、ドライバビリティーが一枚上手だと言うことを実感させられる。

音楽を聴いた印象は、UNICO Pよりも「精度」が上がっているという印象で、UNICO Pではややぼやけて感じられた部分まで克明に再現される。

ただ、それがすべての面で良いのか?と言われると即答はできない。UNICO Pでは、ドライバー段が1本の真空管で構成されるため、左右の音が真空管の中で微妙に混じり、それが「ある種のチャーミングな味付け」になっているからだ。UNICO 2でドライバー段が2本の真空管に変更されたことで、左右の混じり合い(チャンネルセパレーション)が向上した結果、中央付近の定位が左右に広がってやや散漫に(薄く)なっているように聞こえるし、UNICO Pのスペック上の特性の悪さが幸いして、「曖昧であるが故に想像力をかき立てられる」という独特の魅力が薄れているからだ。特に、小さなリスニングルームで小型のスピーカーを聞く場合、このUNICO Pの独自の個性は、有利な方向に働くはずだ(AIRBOW LITTLE PLANET2にも同様の個性が与えられている)。

UNICO 2は、かなり本格的なリスニングルームで、大型のスピーカーをお使いの場合、明らかにUNICO Pを上回る喜びを与えてくれるだろう。しかし、前述した理由によりニアフィールドで小型のスピーカーを聞いているときや、小編成の音楽、弾き語りのボーカルなどが中心となる場合には、時としてUNICO Pがより「チャーミング」に感じられることがあるかもしれない。

高級機に求められる方向性としてUNICO 2は、間違いなくUNICO Pから正常進化している。チャーミングな妹に良くできたお姉さんが出来たという印象を抱く。それぞれに抗いがたい魅力的な個性を与え、それぞれの立ち位置(製品の位置づけ)を明確にできる、新生ユニゾンリサーチの実力は大したものである。

UNICOシリーズの大ヒットによって生み出された利益が還元されることで製品はどんどん良くなっている。音質も仕上げも、そして何よりもコストパフォーマンスも!以前のユニゾンリサーチ製品とは、まったく違ってきている。

もし、もっとユニゾンリサーチらしいイタリアらしい、音が欲しいとお考えなら、ユニゾンリサーチのオール真空管のPRELUDE と SINFONIAを是非一度聞いて欲しい。UNISON RESEARCHが考える「真空管アンプ」と「ハイブリッドアンプ」の相互の違いと世界観がきっと明確になるはずだ。そして、もし懐に余裕をお持ちならSINFONIAが「音楽を楽しむ」という目的に対して、一番大きな満足を与えてくれることを確認できるはずだから。

2007年4月 逸品館 代表 清原 裕介

その他の UNISON RESEARCH 音質テスト

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