今回のテストでは、トランスポーターにPCを使い様々な音源を2日間じっくり聞いてみました。プレーヤーソフトはWindows
Media PlayerでUSBケーブルには、Wireworld
Starlight USBを使っています。
JAZZ
低音は歯切れ良く力感十分。中音はやや薄く堅いが、ボーカルのニュアンスや色っぽさは上手く出る。
高音は価格なりにやや薄っぺらく感じる時もあるが、基本的にクリアでシャープな良い音だ。シンバルやパーカッションは切れ味が鋭く、倍音は綺麗に伸びる。ピアノの音色は価格を大きく越える鮮やさかが感じられる。
アップテンポな曲でもスローな曲でも、ボーカル曲でもインストゥルメンタルでも癖なく楽しませてくれた。
POPS
低音は力感と量感が素晴らしく、パンチが効いている。
中音はJAZZ同様少し薄いが、ボーカルは前に出て説得力がある。
高域の電子楽器はクリアで伸びやか、気持ちの良い鳴り方をする。
特徴的なのは「空間が広い」ことで、ボーカルは前に伴奏は後ろに定位する。シンセサイザーの効果音は前後左右に大きく空間を移動して、まるでサラウンドのような楽しい空間表現が実現する。
この価格帯でこういう「開放的で躍動的な鳴り方」をするDACはそう多くない。
CLASSICS
低音にしっかりとした量感と力感があり、シンフォニーに限らずあらゆる楽曲で演奏者の脚がしっかりと地面についているような、揺らぎのない勇壮な音が出る。
中域はやはり少し薄く、ちょっぴり硬質だが、嫌な感じはしない。
高音は切れ味が良く、透明感も高い。
最も素晴らしいのはM1
DACの特徴である「ストレスのない音の広がり」が生きて、楽器の重なる部分で「各楽器の間にきちんとした空間(隙間)が再現」されることだ。
音数が増えても音が団子にならず、重なって濁らない。音楽を音楽らしく再現するときに最も重要なこの「空間再現能力」がこの価格のDACで実現しているのはすごい。
ミュージカル・フィディリティー(音楽に忠実)という名に恥じない、聴き応えのある音でクラシックを再現してくれた。
USBで音質チェックを行った後、PCにリップしたのと同じCDをAIRBOW
UD8004/Specialをトランスポーターとし、同軸RCA入力でM1 DACに繋いで聞いてみると、音調や傾向はまったく変わらず音が一段と細やかになった。USBに比べ同軸RCAデジタル入力の音質は、数割り増し音が良い。