クロック入力には、AETのデジタルケーブルを使いました。
AET
UR DG75(生産完了モデル)
アンプは、Musical
Fidelity A5.5を使いました。
Musical
Fidelity A5.5 \400,000
最後にOCXを使うことができれば、音質は必ず飛躍的に改善するのか?について検証を行いました。
テストには、OCXが使用可能なすべてのAIRBOW製品と、Esoteric
X-01/D2、EMT 986を使用しました。オリジナルの状態を10とし音質改善幅を数字で現しています。DVDやSACDが再生可能な機器に関しては、すべての音質改善効果を検証しています。
AIRBOW UX1SE/LTD \1,500,000
結果はこちらをご覧下さい。
AIRBOW DV60/Ultimate \580,000
・ 標準状態
AIRBOW
UX1SE/LTDに比べ解像度が低く音がやや混濁するが、音質は暖かく雰囲気がある。
・ CD(176.4kHz):10→20
音像がビシッ!と引き締まり、S/N感が一気に向上する。混濁感が完全に消え解像度も驚くほど向上する。大げさではなく、CDがSACDになったと感じられるほどの驚くべき効果が聞き取れる。OCXの追加でDV60/Ultimateは素のAIRBOW
UX1SE/LTDに匹敵するほど劇的に音質が向上した!
・SACD(176.4kHz):10→15
CDよりは変化が小さいが、あらゆる項目が確実に向上することがハッキリと聞き取れる。
OCXの追加で、悪くなるところは何もない。
・DVD/Audio(192kHz):10→11
CD/SACDの変化と比べると改善幅は小さく、効果をあまり感じられない。
・DVD/Video(48kHz):10→14
PCM信号:CDほどではないが、確実に音質は改善する。ドルビーデジタルやDTSでは、PCMよりも改善幅が小さくなるが、聞いてわかるくらい確実に音質は向上する。DVD/Video特にドルビーデジタルやDTSでのOCXの発信周波数は、最高の192kHzよりも、最も低い48kHzがマッチするように感じられた。
AIRBOW X-05/Ultimate \580,000
・ 標準状態
DV60/Ultimateに比較して音の木目が細かく低音に重量感と厚みがある。音質レベルが非常に高いという印象。
・ CD(176.4kHz):10→18
もともと高い透明感がさらに大きく向上し、それまでは感じられなかった"空気感”までが如実に感じられるようになる。ボーカルや楽器のニュアンスの表現がものすごく!細やかになる。ボーカルの唇の動きが完全に見えるのは快感ですらある。音質最高!と思わず叫びたくなるほど素晴らしい音質に向上した。
・SACD(176.4kHz):10→13
OCXを使わなくてもSACDの音が良いので、相対的な改善幅は小さいように感じられる。しかし、SACDが完全にアナログマザーを聞いているような滑らかな音になる。このサウンドもやはり快感だ。
AIRBOW SA10/Ultimate \430,000
・ 標準状態
音質はDV60/Ultimateに似て暖かく雰囲気のある音だが、X-05/Ultimateと比べると低音がやや緩く、全体的に音の芯が弱い感じがする。しかし、音色のクリア(音色が鮮やか)さとソフトの粗を不要に暴かないデリケートな表現力、濃密な空気感を伴う自然な音の広がりとナチュラルな雰囲気は、私が音楽的を聞く目的に最も叶う音質だ。今回試聴したソフトのボーカルのリップノイズは、UX1SE/LTDを除いてSA10/Ultimateが最も自然に感じられた。
・ CD(176.4kHz):10→20
OCXとSA10/Ultimateの相性は抜群だ!
X-05/UltimateではOCXを使うとCDがSACDに匹敵した。SA10/Ultimateはそれ以上で、CDがSACDを超えると感じられるほど、さらに大きく音質が向上する。
SA10/Ultimateが苦手としていた低音がビシッ!と引き締まり、高音の輪郭もしっかりしてアタックに芯が出る。もともと得意としていた音色はさらに鮮やかになり、立体感がより際立ってくる。
OCXの追加で何より変化したのが、ニュアンスの細やかさだ。SA10/Ultimateの持ち味であるデリケートなニュアンスの再現性が耳を疑うほど大きく向上し、もしかするとOCXを使わないUX1SE/LTDを上回るかも?とさえ感じさせるレベルに高まる。恐ろしいほどの音楽性が「ただのCD」から引き出された。脱帽!
・SACD(176.4kHz):10→18
SA10/UltimateのSACDの音は、OCXを使わないとX-05/Ultimateにやや聴き劣る。しかし、OCXを使った場合の音質改善幅はSA10/Ultimateがより大きく、結果としての音質はX-05/Ultimate+OCXにほとんど匹敵するようになる。SA10/UltimateにOCXを加えれば、SACDは完全にアナログの音になる。
Esoteric X-01/D2 \1,400,000
・ 標準状態
EsotericをベースとするAIRBOW全カスタマイズモデルとの比較では、X-01/D2は輪郭に明らかな強調感があり音が前に出る。ある種の快感ではあるが、時としてそれが圧迫感に感じられることがある。また、その強調感が原因となり、前後方向の奥行きがやや浅く感じられてしまうことがある。
AIRBOW
X-05/Ultimateとの比較では、「音の木目」はX-05/Ultimateの方が明らかに細やかに感じられる。しかし、低音の引き締まり感、音の余裕感などX-01/D2には高級機らしい良さが随所に感じられた。
・ CD(176.4kHz):10→15
AIRBOW製品よりもOCXの追加による音質改善は穏やかだが、それでも"普通ではない大幅な音質改善"が実現する。バックグラウンドノイズがほぼ完全に消え、透明な中に音が浮かび上がるようになる。
基本的なEsotericの特徴はそのまま残るが、輪郭の強調感、子音の荒れは緩和されて聞きやすい自然な音になる。
・SACD(176.4kHz):10→18
AIRBOW機器にOCXを使った場合、CDでSACDよりも大きい音質改善が実現した。しかし、X-01/D2ではCDよりもSACDの音質改善幅が大きい。ギターに触れるギタリストの爪の音まで聞こえる。解像度感は最高になった!
OCXの効果は、Esotericの最高級マスタークロックジェネレーター、G-0Rbを超えると感じるほどすごいのではないだろうか?少なくともOCXの価格からは信じられないほど、大きな音質向上が得られることに疑いはない。
EMT 986 \750,000
・ 標準状態
EMTらしい音で雰囲気が濃くニュアンスが深い。思わず音楽に聴き惚れてしまうような、大人の説得力を持っている。良い音のCDプレーヤーだと思う。
・ CD(44.1kHz):10→15
低音が伸びて深くなる。ニュアンスはさらに細かくなるが、OCXを追加したAIRBOW
SA10/Ultimateにはやや譲る感じがする。
出てくる聞いている音はSA10/Ultimateに44.1kHzのクロックを入力した音と非常に近い。もしEMT
986に176.4kHzのマスタークロック周波数が入力できれば、SA10/Ultimateと互角以上の勝負が出来たかもしれない。しかし、残念ながらEMT
986は44.1/48kHzのどちらかの周波数しか入力できない仕様だ。
それでも出てくる音は素晴らしく、OCXを繋がないときと比べると音の広がりが数段大きくなり、他の機器と同じようにリッチな空気感が感じられるようになる。
表現力はさらに増し、音の濃度もより向上する。EMT
のプレーヤーとカートリッジでレコードを聞いているような濃密な音、スタジオでマスターテープを聴いているような深みのあるサウンドがOCXの効果で取り出せる。EMT
986でも一度繋いだOCXは、二度と外せなくなるのは間違いがない。
OCXを使うことができれば、音質は必ず飛躍的に改善するのか? "YES!YES!YES!"