スピーカーをセッティングしようスピーカーケーブルスピーカーケーブルは、音質に大きく影響します。付属品ではなく、スピーカーの性能に見合ったものを選びましょう。 お薦めのスピーカーケーブルは、AET/AIRBOW(AETのOEM品)とQEDです。 AET/AIRBOW製品は、オーディオ用に作られた国産の良質な導体が使われ、導体表面が鏡面研磨されているので、音がきめ細かく滑らかです。QEDは、低価格ですが音質バランスに優れ、音楽を楽しく聞かせてくれます。どちらの製品も、可能な限り数多くのスピーカーケーブルをテストして選んでいますから、その音質に必ず納得して頂けると思います。 スピーカーケーブルの方向性 スピーカーケーブルには「信号の方向性」が矢印で示されているものがあります。その場合、矢印の根本を「アンプ」先を「スピーカー」に繋いで下さい。マークがない場合は「文字の流れる方向」で判断します。「AET」の印字があれば「Aを矢印の根本、Tを矢印の先」と考えて繋ぎます。ケーブルを逆方向に接続すると「音の広がりや定位感」などが散漫になることがあります。 しかし、ケーブルを十分に使い込んでしまえば(エイジングが完了すれば)、方向性による音質の差は無視できるほど小さくなることが多いので、接続方向にはそれほど神経質にならなくても大丈夫です。 スピーカーケーブルの長さスピーカーケーブルの購入で困ることは、二つあります。 アンプからスピーカーまでの距離が左右で大きく異なる場合でも、左右ケーブルの長さは同じにしなければいけないのか? 「スピーカーセッティング」のページに詳しく書いていますが、左右のスピーカーは「周囲の環境の違い」で同じ音が出ていません。この左右の環境の違いによる音質差は、スピーカーケーブルによる音の違いよりもずっと大きく、左右のスピーカーケーブルは長さが2倍くらい違っても問題ありません。 見た目でのスピーカーケーブルの長さの違いが気にならないのであれば、左右必要な長さのケーブルをお使いください。コストが削減でき、より高価なケーブルが使えます。サラウンドのリアやセンター、エフェクト用スピーカーの配線も同じ長さにする必要はありませんのでご安心下さい。 スピーカーケーブルの継ぎ足しスピーカーの置き場所を変えたら、スピーケーケーブルの長さが足りなくなったが、スピーカーケーブルを継ぎ足してはいけないのか? 「ケーブルは極力短く、抵抗が少ない方が音が良い」と考えられていますが、実際は違います。 オーディオ用の接続ケーブルは「マイナス(抵抗)」ではなく、「プラス(音質改善効果)」があるからです。 実験で確かめましょう。 高級なスピーカーケーブル(現在お使いのケーブルよりも数倍以上価格が高いもの)を現在お使いのスピーカーケーブルの「スピーカー側に継ぎ足す(継ぎ足す長さは数十センチ程度は必要です)」と音が良くなります。これが確認できれば、「継ぎ足し効果(音質改善効果)」の答えは「Yes」です。 音質改善に使える考え方の「引き出し」が、一つ増えました! 同じグレードのケーブルの継ぎ足しでは、「ケーブルの音はほとんど変わりません」から、ケーブルの延長が必要になれば、同じグレードもしくは上級グレードのケーブルを「継ぎ足して」お使いください。買い替えるよりも、安くすみます。 ただし継ぎ足すケーブルによる「音質改善効果」は、その継ぎ足す長さで顕著な違いがありますから、上級グレードのケーブルを継ぎ足すときは「継ぎ足すケーブルは左右なるべく同じ長さ」にしてください。 逸品館お薦めのケーブル接続グッズ AIRBOW Joint Sleeve ※重要なのはケーブルがきちんと接続されることです。この製品は、市販のジョイントをクライオ処理したものです。圧着レンチが必要になりますが、導体を「溶着(冷間溶接とも呼ばれます)」状態で接続でき、はんだ付けよりも高音質です。 P.S. スピーカーケーブルの端末処理スピーカーケーブルの端末は、ケーブルをむき出しにせず必ずプラグを取り付けましょう。プラグを取り付けるとケーブルが端子で擦り切れることがなく、また導体の酸化防止にもなりますので、長期間スピーカーケーブルの性能を保つことができます。 良質な端子は、「ケーブル継ぎ足し理論」と同じ原理でスピーカーケーブルの音質を向上します。 スピーカーケーブルの端末には、次の3種類の形状があります。 スペードプラグ 取付には専用の工具や、ハンダ付けが必要になる場合があります(詳細はこちら)。 バナナプラグバナナプラグは、対応するスピーカー端子に差し込むだけで使えるプラグです。バネが付いていてスピーカー端子に止まるタイプと固定機能が備わるものがあります。狭い場所でも差し込むだけで使えるので便利ですが、大型のものは端子同士の接触によるショート対策が必要です 棒状端子(Iラグ) バネ式のスピーカー端子や、古いアンプなどに使われているねじ止め式の端子には、Yプラグやバナナプラグが使えません。しかし、このような端子にケーブルを裸のまま接続すると、やはり緩みやすく、ひげによるショートが心配です。そんなときに使えるのが「まっすぐのプラグ(Iラグ)」です。また、電源プラグやコンセントへの配線の接続にも便利です。 取付には専用の工具や、ハンダ付けが必要になる場合があります(詳細はこちら)。
Bi-Wire接続の繋ぎ方Bi-Wire対応スピーカーを繋ぐには、4通りの方法があります。それぞれ音が変わりますので、その違いを図にしました。
これまでの経験では、「+を高域、ーを低域に繋いだ場合にバランスの取れた自然な音が出るスピーカー」が大半(およそ8割程度)で、その逆「ーを高域、+を低域に繋いだ場合にバランスの取れた自然な音が出るスピーカー」は濃く僅か(およそ1〜2割程度)でした。 「両方を低域」あるいは「両方を高域」に繋いだ場合に、最もバランスの良い音が出るスピーカーはほとんどない(TADがそうです)ので、Bi-Wire対応の場合、スピーカーケーブルは「たすき掛け接続」からお試しください。 ジャンパー線(プレート)を変えようBi-Wire対応スピーカーをシングルワイヤーで繋ぐときは、スピーカーに付属するジャンパー線(もしくはプレート)を使います。このジャンパー線やプレートを交換することで、スピーカーの音質は大きく向上します。 接続は、「スピーカーケーブル・スペードプラグ−ジャンパー線・バナナプラグ」、もしくは「スピーカーケーブル・バナナプラグ−ジャンパー線・スペードプラグ」が最も繋ぎやすく、「スピーカーケーブル・スペードプラグ−ジャンパー線・スペードプラグ」は繋げますが、「スピーカーケーブル・バナナプラグ−ジャンパー線・バナナプラグ」だと繋げません。 スピーカーケーブルの端末プラグとスピーカー端子の形状を確認の上、ジャンパー線の端末をお選び下さい。 分からないときは、両端スペードプラグのジャンパー線をお選び下さい。 ジャンパー線の方向 ジャンパー線は、方向で特に音質が大きく変わるようなことがありません。方向性で音の違いが確認できても、使い込むと馴染みますから、気にせず自由な方向でお使いください。 Bi-Wire専用スピーカーケーブルBi-Wire対応スピーカーをシングルワイヤーで繋ぐときは、左右の長さは同じでなくても構わないと説明しましたが、Bi-Wireで繋ぐ場合は「左右」は同じ長さ、「Hi/Lo」は同じグレードのケーブルを使うことをお薦めします。これはケーブルの抵抗や静電容量が原因で「アンプの音が変わる」ことを避けたいからです。例えば、「単純に左右の音が違うだけ」なら、人間は以外に鈍感で気がつかないのですが、「ウーファーとツィーターの音色が違う」ことには、恐ろしいほど敏感なのです。だから、Bi-Wireスピーカーとアンプを接続するときは、すべてのケーブルを可能な限り「同じ長さ、同じグレード」に統一しましょう。 ただし、アンプの端子が複数で「パワーアンプはステレオ(2台)」のアンプをBi-Wireでスピーカーに繋ぐ必要はありません。このような場合は、シングルワイヤーで「2倍価格」のケーブルを使う方が、まず間違いなく音を良くできます。 Bi-Wire接続が、シングルワイヤーよりも音が良くなるのは、「Bi-Amp」でアンプを使うときです。
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